10年後に1000万円で販売?

次世代カー「燃料電池自動車」が 普及するための“カギ”とは?

2008.05.30 FRI


上:新開発されたセダン型FCV「FCXクラリティ」/下:ボックス型の「FCX」は、最大出力80kW(109馬力)、最大速度は150km/h。低回転から最大トルクが発生するモーターは、中低速からの加速を得意とする 写真提供/本田技研工業
CO2排出量の削減が叫ばれ、原油価格の高騰にも歯止めが利かない現在。ガソリン車に代わる次世代カーの開発と普及は世界的な課題だが、なかでも将来的な本命の座を電気自動車と競っているのが、燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle=FCV)だ。

エンジンの代わりにモーターを用いるFCVは、タンク内に貯蔵した水素と空気中の酸素を反応させて発生した電力で走る。排出されるのは水のみ、モーター駆動のため騒音もしないという、エコカーの「究極のゴール」ともいわれている。

だが、その一方で、現在1台1億円とも言われる製造コストの高さや、水が凍結する低温環境での始動性の悪さ、長距離航続性など技術的にクリアしなければならない問題点も多い。日本では経済産業省が2002年から「JHFCプロジェクト」を始動し、国内外の自動車メーカー9社と共同で開発研究、および実証検証を続けている。

2008年2月の「FC EXPO 2008」では各メーカーによる一般向けの展示・試乗会も行わ、徐々に実車を目にする機会も増えてきたFCVだが、僕らが普通に乗れる日はいつ頃やってくるのだろうか? セダン型FCV『FCXクラリティ』の一般向けリース販売を今年の秋から開始するホンダ広報部に問い合わせてみた。

「市販レベルの車両という意味では、ホンダでは『今後10年以内に1000万円以内で』FCVを販売することを目標としています」

高いだろうとは思ってはいたけれど、こんなにするの!? 庶民が買えるような価格になるのは、結構先になるかも。

「車両だけでなく、本格的にFCVが普及するためには、社会的なインフラ整備や規制緩和も大きな課題です。現時点では、FCVに水素を補充できる『水素ステーション』は全国に14カ所しかありません。メーカーとしては、魅力ある車両を開発して市場のニーズを高めることで、普及に繋げていきたいと考えています」

水素ステーションの設置を進めるためには、設備の安全性や信頼性の検証、関連する法規制の緩和、ビジネスとして成立させる環境作りといった課題も多い。

国内最大規模の新エネルギー技術研究機関・NEDOが発表したロードマップによると、FCVの本格的な普及期は2020~2030年ごろと予想されている。そのころには、行き着けのガソリンスタンドも水素ステーションに変わっているのだろうか。

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