サブプライムでは、ン兆円にン千億円…

巨額の損失が出てもなぜ企業はつぶれないの?

2008.05.29 THU



写真提供/時事通信
サブプライム問題をめぐるニュースで不思議に思った人も多いのではないだろうか。欧米の金融機関を中心に、ン兆円やらン千億円やらと、とんでもない巨額の赤字が発生している。これだけの赤字なら、会社は倒産してしまうのでは、とも思えるが。

実はまず注意しなければならないのは、サブプライム問題に関連して金融機関が出している損失とは、「実際に発生した損失」ではないということ。「現時点で見込まれる損失」なのである。現在の会計基準では、保有している金融商品の「時価」が下がれば、目減り分を損失として会計処理しなければならない。結果として赤字が発生する。

例えば、サブプライム関連の金融商品を持っているとする。かつてはたしかに買った金額に見合う時価があった。ところが、サブプライム問題の発生後、その価値が暴落してしまった。とてもかつての時価などでは、誰かに買い取ってもらえそうにない。となれば、帳簿上の価格を時価に引き下げないといけない。要するに、これが処理の金額なのだ。ン千億円の損失といっても、現金でン千億円を支払うというわけではなく、あくまで会計上の話、なのである。

だが、ひとつ問題がある。会計上とはいえ、資産を減らす分、「純資産(資本)」も減らさなければならない。そうすると当然、純資産(資本)が減った分を補う必要が出てくる。そこで、「資本の増強」が行われた、というわけだ。報道では、欧米金融機関の資本増強に、中東、中国、シンガポールなどの資金が流れたとされた。

だが、サブプライム問題で危機すら伝えられる金融機関の資本増強になぜ、応じたりしたのか。損失処理を計上したほどのサブプライム関連商品だが、もしかすると今後、マーケットが落ち着き時価が再上昇してくる可能性がある。時価が上がった分は当然、利益になる。資本増強に応じた人たちの目的は実は、金融機関の業績の再浮上なのだ。単なる資金援助などではない。金融の世界、本当に奥深い。


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