公正取引委員会が立ち入り検査!

著作権管理業界のガリバーJASRACって、どんな団体?

2008.06.05 THU



撮影/内山政彦
先日「JASRAC(日本音楽著作権協会)に公正取引委員会の立ち入り検査が入った」というニュースが流れた。JASRACという名前だけはなんとなくは知ってたけど、実際どんな協会なのか? なぜ公取に検査されることになったのか? よく分からない。基礎からお勉強するため著作権に詳しい弁護士の神谷信行さんを訪ねた。

「放送などで音楽を使う場合、作詞家とか作曲家への著作権使用料を払う必要がある。使う人から料金を徴収して著作権者である作家に分配するのがJASRACの主な仕事。この分野でシェアは99%です」

ほぼ独占ってわけだ。でもどうして?

「そもそも1939年に著作権に関する法律が施行されたとき、音楽著作の管理が認められたのは内務省(当時)が許可した1団体だけ。01年から新規参入が可能になったけど、それまでは独占というかJASRACしかなかったわけです」(同)

ちなみにJASRACが徴収する著作権使用料は年間1000億円を超えるが、業界2位の会社は数億円。市場が少数の業者に独占されないよう取り締まる公正取引委員会が調査したくなるのも分かる気がする。

「背景にあるのは『包括契約』。これは楽曲を大量に使用する放送局とJASRACが結んでいる契約で、曲の使用頻度に関係なく放送事業収入の1.5%が支払われます。年間約10万曲を使うといわれる放送局が楽曲各々について著作権処理をするのは実際には不可能ですから」(同)

つまり放送局としては扱っている著作物のシェアの大きなJASRACさえあれば十分ということ。なるほど新規参入しようにもその隙間がない。だが各楽曲の使用頻度を正確に把握できれば一括支払いをする必要がなくなるわけだ。

現在ではインターネット経由で配信する場合、楽曲ごとに配信回数をカウントすることも可能になっている。デジタル放送が本格化した分、これからは著作権管理の方法も変わってくるのかも。


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