手作り筆で世界シェアNO.1!

“筆の里”熊野町で見たメイド・イン・ジャパン

2008.09.11 THU



写真提供・撮影協力/白鳳堂
広島県安芸郡熊野町。瀬戸内海のほど近く、山に囲まれたこの町の人口は、わずか2万5000人。ところがココ熊野町は、日本で作られる筆の80%を生産しているスゴイ町らしいのだ! 調べてみると、通称熊野筆を作る筆メーカーは80社以上。生産量は、年間5000万本!! って、マジかよ!? さっそく、真偽を確かめるべく広島へゴー! 確かに筆の里なんて看板もありますが。

「もともと熊野は、生計を立てる産業のない地でした。そこで江戸時代末期、のちに唯一の産業となる筆作りを始めたのです。明治に学校教育が開始すると筆の需要が増え、熊野の筆作りは盛んになりました」

こう語るのは、筆メーカー白鳳堂の高本和男社長。実は、現在熊野町産の筆の半分以上は化粧筆であり、高本社長はその文化を定着させたパイオニアだ。なんと同社は、世界の化粧筆シェア60%を誇っている。

高本社長は74年、白鳳堂を創業。当初は書筆と絵筆が中心だったが、オリジナルブランド確立のため、化粧筆の研究を続けていた。時代とともに学科から書道や絵画が姿を消しはじめると、需要が低下。戦後、熊野町以外の産地は近代化にともない他の産業に転じていった。しかし、熊野町には筆しかない。そんななか、白鳳堂に転機が訪れたのは95年だったという。

「ニューヨークに住む日本人メイクアップアーティストに、化粧筆を見せに行ったんです。そうしたら、化粧品メーカーのMACさんから発注を受けまして」(同)

それを皮切りに、海外の化粧品メーカーが白鳳堂の筆に注目し始める。その評価は、質のよい筆を大量に生産できることにあったのだとか。そもそも、伝統的な書筆の作り方は職人一人の手によるハンドメイド。だが、化粧筆の場合は同じ品質の商品の大量生産が求められる。白鳳堂では制作工程を細分化し、工程ごとのプロフェッショナルを育てることでそれを達成したのである。

熊野町生まれの日本の伝統は、今日も世界に羽ばたいている!


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