金融危機対策で各国が規制!

何がそんなに問題なのか?株の「空売り」&「裸売り」

2008.12.04 THU



イラスト:藤田としお
世界的な金融不安を受け、日本政府は「空売り」規制の強化を10月30日から導入した。欧米諸国も空売り規制を緊急採用しており、日本も足並みを揃えた格好だ。しかし、空売りとはどんな取引なのか。なんのために規制するのか。経済評論家の山崎元氏に聞いた。

「空売りとは、自分が持っていない株を他から一時的に借りて売る行為です。売った後、その銘柄の株価が下がったところで買い戻せば利益が出ますよね。投資家は株価が下がることを見込んで空売りをするわけです。では、なぜ政府が規制するのかといえば、株価の乱高下を防ぎたいから。とくに株価が下がることを嫌います。もし株価が、空売りによって投機的に下がっているなら、規制すべきだということなんです」

通常の空売り自体は正当な行為で、元手の数倍程度の取引ができる信用取引の一種だ。今回の規制は、先に売り契約を結んでから株を確保するネイキッド・ショート・セリング(裸売り)を禁止するというもの。裸売りは、株の実体がなく、極論すれば理論上、市場にある株の数を超える大量の空売りが可能になる。規制の背景には、ヘッジファンドなどがこの手法を使うと市場への影響力が大きすぎるという懸念もあった。

「ただ、今の株価の下落は、空売りで下がっているというより、実際に株を持ってる人が売っているからなんですよ。ヘッジファンドも投資家からの解約が多いので、運用資金を確保するために持ち株を売っているという状況です。そもそも空売り規制にはメリットとデメリットがある。確かに規制すると、空売りが減って一時的に株価が下がりにくくなるかもしれない。でも、空売りは買い戻すのが前提なので、リバウンドで株価が上がりやすいという側面もある。それに、一般的には市場は流動的な状態の方がいいとされてますから、市場関係者には規制の評判はよくないですね」(同)

一足先に空売り規制を行ったアメリカでは、あまり効果が得られないまま規制を解除したという。さて日本は?


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