ディズニー、トヨタ、セコムまで

仮想移動体通信“MVNO”でどんなビジネスが誕生する?

2009.01.22 THU



イラスト:ダダ(智子)
PHSでおなじみウィルコムが、携帯電話の回線を利用したデータ通信事業に乗り出す方針だと一部報道機関が報じた。NTTドコモの回線を借りるMVNO方式だという。

えむぶいえぬおー? その意味を、通信ビジネスのコンサルティングや資本政策立案を行う企(くわだて)のクロサカタツヤさんに直撃。

「モバイル・ヴァーチャル・ネットワーク・オペレーターの略で、仮想移動体通信業者を指します。インフラを持たないで通信サービスを提供するビジネスモデルです」

自社ビルじゃなく賃貸で営業する感じ?

「まあ、近いですね。インフラにまつわるコストがかからない分、インフラを持つ通信業者(MNO)よりも軽い負担で通信サービスに参入できるのが最大のメリットです。また、ディズニーやノキアのように自前のブランドで通信事業を展開したい企業にも向いていますね。MNO側にとっても回線の有効利用につながるんです」

なるほど、誰もが得する関係なんですね。

「デメリットもありますよ。モバイル通信の世界はまだ成熟していなくて、今後も世代を重ねて最先端のインフラに変えていかなくてはいけないんですが、MVNOでひとつ前の世代の『枯れた技術』で十分だとされてしまうと、MNOは新しい技術に投資しにくくなるんですよ。ちょうど世代の変わり目が到来しつつあり、難しい問題ですね」

ともあれ、今後どんなMVNOビジネスが生まれそうですか。

「すでに自動販売機の遠隔メンテナンスに携帯が使われているように、荷物や車に移動体通信が載る余地があります。また、グーグルやヤフーがMVNOを始めるとどうなるか。最近ウィルコムが16万の基地局に定点カメラや気象センサーを仕込む検討をしているそうですから、これを組み合わせれば交差点や街頭の様子がリアルタイムで動画配信されるサービスも夢ではないですね」

近い将来、高級ブランドのバッグに、落とし物や盗難対策としてMVNOの端末が仕込まれたりしてね。ありそう。


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