原材料調達から流通までを網羅

「川上」から「川下」の戦略総合商社の“垂直統合”

2009.01.29 THU



写真提供/時事通信社
三菱商事は昨年12月、流通大手のイオンと提携、株式の約5%を取得して筆頭株主に躍り出た。商社といえば、国内外から仕入れた商品を企業に売り渡す仲介ビジネスがメインのイメージが強い。だが、実はコンビニのローソンを展開しているのは、この三菱商事。また、三井物産はセブン&アイ・ホールディングスに出資しているし、スーパーのサミットは住友商事の100%子会社。ファミリーマートは伊藤忠商事のグループ会社で、ダイエー再生に名乗りを上げたのは、丸紅。今や大手商社は、店頭商品の開発までも行う流通の知られざる主役でもあるのだ。

モノの仲介ビジネスを手がけていた商社には、過去に何度も「斜陽説」「不要説」が流れた。国際化や情報化の進展で、メーカーなどが商社を経由せず、直接海外の情報を入手、取引することができるようになったからだ。こうした「中抜き」にあえば、たしかに商社の存在価値は揺らぐ。だが、商社は自ら商売を広げた。川上と呼ばれる原材料の調達から、川下と呼ばれる小売分野までフィールドを拡大したのだ。

こうして原材料から中間製品、最終消費財まで垂直統合するビジネスが生まれた。例えば川下で消費者のニーズを把握、その情報を原材料調達という川上の段階から生かし、食品などの商品を開発して売る。モノづくりの始めから終わりまでの長いプロセスで利益も追求するのだ。

資源、エネルギー、プラント、ITなど今や垂直統合は多方面に及ぶ。前期まで総合商社の業績は絶好調だったが、これは資源やエネルギー分野でまいていた種が実ったことが大きい。鉱山や油田を開発する権益を手に入れる究極の川上事業が、資源・エネルギー価格が高騰するなか、花開いたのだ。また、エネルギーやプラントも、装置や機器の輸出入を手がけるだけでなく、建設という川上からすべてを請け負うケースが増えている。これは発注側にも利点が大きい。総合商社の垂直統合。覚えておきたいキーワードなのだ。


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