頻繁に異動するのは日本特有の制度?

不利益を防ぎ、個人を伸ばす人事異動の大切な役割

2009.03.02 MON



イラスト:かわしま あきこ
会社に入社できても、自分が希望する部署に配属されるとは限らない。首尾よく希望の部署に配属されたとしても、人事異動で別の部署にいくこともある。調子よく仕事をしていたのになぜ? という体験をするかもしれない。新入社員にとっては謎も多く、ちょっと不安にもなる人事異動という制度。頻繁に異動があるのは日本企業特有の慣行だといわれるが、どんなメリットがあるのか。ズバリ『人事異動』という著書もある人事コンサルタントの徳岡晃一郎氏に聞いてみた。

「人事異動の役割は大きくわけてふたつあります。まず、単純に会社側が部署ごとに必要な人員を割り振るため。もうひとつは、人材育成のためです。そもそも新入社員に、どんな適性があるかなんてよくわからないもの。様々な部署を経験させることで適性をみることができますし、その後の配置もしやすくなります。さらに、幅広い体験や見識を積ませて、組織内での人脈作りやノウハウを共有させるなど、会社人として成長させる意味合いも持っているんです」

確かに、ひとつの部署に留まっていると、気分もマンネリ化して生産性が低下する可能性もある。時間をかけて人間関係が育まれることで、情に流されて判断を誤ったり、特定の取引先と癒着するなどの不適切な行為を防止する効果もあるようだ。しかし、希望は聞いてもらえないのだろうか。

「そんなことはないと思いますよ。最近では職種別の採用も多くなっていますし、キャリア面談のときに希望を聞かれることもあるでしょう。ほかにも、上司とソリが合わない場合、次は部署を変えてほしいと訴えることはできると思います。ただ、最終的に人事は会社が決めること。就業規則などで異動は基本的に拒否できないことになっている場合が多いですね。多少、交渉することはできると思いますが、希望が叶うとは限りません」(同)

希望していなかった部署に配属になっても、成長する機会と捉えて仕事に打ち込むのが正解なのかもしれません。


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