29歳・リディラバ安部氏が思う「脅しではない」チーム運営

「残業しろ」のノリで社会を変えられないのはなぜか?

2016.11.14 MON

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(撮影=藤本和成)
「社会問題の現場を訪ねる」という、これまでにない“スタディツアー”を展開する旅行会社「リディラバ」。2013年の事業化以来、社長の安部敏樹氏のもとには、大手企業から転職してくる人、年齢が倍以上の元銀行マンなど、様々なキャリアを持つメンバーが集まっている。母校の東京大学でも“史上最年少”で、「ソーシャルビジネスのためのチームビルディング」という講義を担当している安部氏に、マネジメントの極意を学ぶ。

●すべてのメンバーに対してルールを明文化 憲法に従おう


健全なチーム運営のためには、まず何を重視すればいいのだろうか。

「絶対的なグランドルール、つまりチームの“憲法”を共有することが基本です。人ではなくグランドルールに従わせる。たとえば、『そんな仕事ぶりじゃ給料上げねぇぞ』みたいに部下を脅しているだけなのは、モチベートではないですよね。ちゃんとルールがあって、はじめてフラットな議論が生まれる。ディスカッションの時にも『俺の言うことに従え』じゃなくて、“憲法に沿っているか・いないか”で判断することができるわけです」

ちなみに、リディラバには「行動7原則」なるルールがあり、トイレにも貼られているそう。そこには、「検証せずに悩んでいないか?」「社会を塗り替えるスピード感で仕事をしているか?」など、社内で議論を戦わせたり仕事を遂行したりするうえで、原点に立ち戻るための7つの言葉がつづられている。

「でっかい目標『社会問題に対する無関心の打破』を達成させるためにマイルストーンがいっぱいあるんですけど、もっともっとインパクトを出していかなきゃいけない、じゃあどうするかという時に個人が“誰か”ではなく、行動7原則に照らし合わせて動けるようにしています。行動7原則は、『組織の理念』と『組織に属する個人』を結びつけるうえで役立つものです。我々は『未来の社会インフラ』をつくろうとしている、つまり社会を塗り替えようとしているので、『残業しろ』みたいなハードワークを強いるブラックな“根性論”のノリじゃ絶対にスピードが追い付かないんです」

●後付けでは意味がない 世の企業の理念は「考えてない」


リディラバのルールについては、誰に学んだわけでもなく、すべて安部氏自身が考えたことなのだとか。

「もちろん、読者が自身の職場でルールを作ろうと思った場合には、ゼロから考えなくても良くて、いいなと思うのがあればパクってくればいい。私の場合は、リディラバという、これまでなかったジャンルの組織を作ろうとしたので、上辺だけではなく本質的なものを追究できるようなルールにまとめました。というか、色々な企業のルールを見て参考にしようと考えたこともあったんですが、なんか『こいつら全然考えてないじゃないか!』って思っちゃったんですよね」

どんなところに、至らなさを感じたのだろう。

「理念とかルールのスタートが、“世の中のあるべき姿”ではないんですよね。おそらく、ほとんどの組織が“事業”をもとに作っている。事業をうまく世の中に適合させようとして、理念を後付けしている。それじゃ誰だって『何のためにこの仕事をやってるんだろう』って思いますよ。

リディラバは、『何で社会ってこうなんだろう』『理想の姿からはこんなに離れているじゃないか』というのがスタートで、じゃあ理想の社会を作るぞっていう順番。そのうえで、どんな事業が必要なのか、事業はどうあるべきか、組織はどうあるべきか、組織に必要な個人はどうあるべきかを積み上げています。社会の無関心を打破するために、じゃあまずスタディツアーという理念に紐付いた事業をやって行こうと思っているんです。

読者の方が勤めている会社の理念が、もしふわっとしたものなのであれば、まずは自分なりの理念をチームに共有することが必要ですよね。たとえば営業だったらメンバーが売上を達成するようにマネジメントすることも大切ですけど、その先にある社会の変化に自分たちの売上がどうつながっているのか、どうインパクトを残せているのかを伝えることが重要。それは理念を伝えることと同じことだから」

(末吉陽子/やじろべえ)

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