サイボウズ“ツールの向上”と“許される雰囲気”がカギ

「在宅勤務でしっかり働けるのか?」実践社員が語る

2016.11.29 TUE

給料?やりがい? 30男キャリア相談所 > 働き方最前線

在宅勤務制度を活用する島口圭世子さん(左)と後迫孝さん(右)。ともに「会社がオンライン上のツールを完備してくれているので、在宅でも困ることはない」と声を揃える
週休3日制、副業、リモートワーク…オフィスや時間に縛られない働き方が拡がりつつある。一方で、“これまでの働き方”に慣れもある30オトコともなると、新しい働き方をすぐに選択できそうにない人も多いのではないだろうか。そんな「新しい働き方」のリアルな実態を聞くべく、今回は在宅勤務・リモートワークにフォーカス。リモートワークを実際に運用して数年経つサイボウズに話を聞いた。

サイボウズでは、最長6年間の育児・介護休暇、労働時間や場所を9分割して働き方を選べる選択型人事など、多様な働き方を実現する制度をいち早く取り入れている。2010年に「在宅勤務制度」、2012年にはオフィス以外での労働を許可する「ウルトラワーク」を導入し、社員が働きやすい環境を整えている。社員の大半が在宅勤務などのリモートワークを体験したことがあり、なかでも1割程度の社員は定期的に在宅勤務を行っているという。

しかし、オフィス以外の場所で働くとなると、業務をスムーズに進めることは難しいのではないだろうか。サイボウズの製品・サービスの便利さを世の中に広めているデベロッパーリーディング部の後迫(うしろさこ)孝さん、サイボウズのCS調査分析を行うダイレクトマーケティング部の島口圭世子さん。週に1回だけ在宅勤務制度を活用しているという2人に、制度利用の現実を聞いた。

――最初に、在宅勤務制度を活用し始めたきっかけを教えてください。

島口「昨年、夫の転勤が決まったのですが、当時2歳だった娘が通っていた保育園の関係で私は東京に残ることになりました。ただ、私1人で家事に子育て、仕事もこなすことは体力的にきついと予測できたので、毎週木曜日だけ在宅勤務制度を使っています」

後迫「私は子どもが2人いるのですが、第一子を認可保育園に入れるためには、妻の職場復帰が条件でした。ただ、第二子はまだ手がかかるので、週4で在宅勤務をする妻が出社する水曜日だけ、私が在宅勤務して面倒をみながら仕事をしています」

――在宅勤務を始める際に、不安はありましたか?

島口「これまで通りに同僚とコミュニケーションがとれるか、心配でしたね」

後迫「私も同じです。ただ、会社がオンライン上にグループウェアやテレビ会議のシステムを用意してくれているので、いざ始めてみると困ったことはほとんどありませんでした。いまのテレビ会議は何気なく放った小さな一言も聞こえるので、臨場感があります」

――技術が向上しているからこそ、実現できているのですね。

後迫「あと、社内でも在宅勤務やウルトラワークを使う人が増えてきたことで、協力してもらいやすい環境ができていると思います。社長も育休をとるなど、トップ自ら実践してくれるので、私たちもとりやすいです」

島口「同僚は、私が在宅勤務の日でも会議を入れて大丈夫だと思ってくれているので、気が楽ですね。自宅からテレビ会議で参加できるので、そのためだけに出社しなくていいんです。テレビ会議でも、直接顔を合わせるのと同じように進められるからできることだと思います」

後迫「さすがに自分が在宅勤務の日に、私がオーナーとなる会議はできないですけどね(苦笑)。その場合は、出社する日に合わせます」

在宅勤務やウルトラワークの場合は、部署ごとで共有しているスケジュールやチャットに「始めます」「終わります」と宣言することで、業務開始や終了を伝えるそう
在宅勤務やウルトラワークの場合は、部署ごとで共有しているスケジュールやチャットに「始めます」「終わります」と宣言することで、業務開始や終了を伝えるそう
――在宅勤務制度を活用し始めてから、仕事の進め方は変化しましたか?

島口「あまり変わらないですが、いままでより計画的にこなすようになりました。大きな画面でやりたい作業は会社で進めて、企画書作りなど1人でできることは家でやるなど、調整しています」

後迫「私も変わらないというか、変える必要がないんですよね。同じチームのメンバーに指示を出す時も、オンライン上にリアルタイムのチャットが用意されていてすぐに発信できるので、会社にいる時とほぼ変わらないです」

――家で仕事をする際に、自分自身をマネジメントすることは大変ではありませんか?

島口「最初の頃は、いつ同僚からのメッセージが来てもいいように、なるべくパソコンの前にいることで仕事モードに切り替えていました」

後迫「私の場合は家に子どもがいるので、集中できない時もあるんですよ。子どもがぐずった時は一緒に散歩に出て気分転換して、その時間にできなかった仕事は妻が帰ってきてから行います。同僚が1日8時間働いているから、自分もトータルで8時間働くという意識があります」

――プライベートでの変化はありましたか?

島口「在宅の日は通勤がないので、いつもより1時間遅く起きられます。それだけで気持ちは晴れやかですね。少しであっても、自分の時間がとれることがうれしいです」

後迫「平日の昼間に子どもを連れていたら、近所の方から『イクメンしてますねぇ』と声をかけられることが増えました。自然と地域コミュニケーションがとれるようになりましたね」

仕事もプライベートも充実させられそうな在宅勤務制度。しかしそれは、ネット環境さえあればどこでも働けるシステムと、多様な働き方が許される雰囲気があってこそ実現できるものなのかもしれない。

(有竹亮介/verb)

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