音色はいろいろ「住活」組曲

第8回 「住活」のお金もろもろ基礎講座2回目

2010.03.18 THU

音色はいろいろ「住活」組曲

住宅ローンの種類と、借りるタイミングは?



さて、前回のお話で住宅ローンの仕組みや基本については、だいたいわかりました。買いたい住宅も決まればさっそく、住宅ローンを申し込もう! となるわけですが、住宅ローンにもいろいろ種類があるそうで…前回に引き続き「住まい研究塾」主宰の大森広司さん! 教えてください。

「前回お話しした通り、住宅ローンは公的な『フラット35』と、都市銀行や信用金庫といった民間金融機関の住宅ローンに大きく分かれます」

ちなみにフラット35はどこで申し込めるの?と思ったのですが、これ、公的なローンではありますが、利用は民間金融機関を通すとのこと。では民間金融機関のローンの特徴は?

「金融機関によって、金利やサービス、融資条件に個性があることでしょうか。また、購入する住宅に対する制限や条件は少ないですね」(大森さん)

フラット35や民間金融機関のほかにも住宅ローンがあるのですか?

「一般の方で最も利用の可能性が高いのは財形住宅融資でしょう。財形貯蓄は知っていますか?」(大森さん)

えーと、給料の一部が天引きされて、金融機関に貯蓄されていくお金ですよね。

「はい。その財形貯蓄を1年以上続けていて、申し込み条件をクリアしたサラリーマンを対象にした住宅ローンが財形住宅融資。金利が低めだったり、勤務先から支払いを援助してもらえるといったメリットがあります」(大森さん)

会社勤めで財形貯蓄を取り入れている人は、一度チェックしてみる価値がありそうですね。

「あとは会社が社員に対して行う社内融資などもあるので、一度調べてみるとよいでしょう」(大森さん)

住宅ローンといってもいろいろあるんですね。選ぶ立場として選択肢が多いのはありがたいですが、逆に迷いそうでもあります。

「まあ、実際は『提携ローン』のお世話になる場合も多い…というか、迷ったらそれを第一候補として検討するのもよいでしょう」(大森さん)

「提携ローン」? また別の住宅ローンがあるんですか?

「いえ、提携ローンとは、不動産会社や自分の勤務先の会社が提携している金融機関の住宅ローンのことです。これって、普通のローンと比べると、金利などがお得な条件の場合が多いんです。不動産会社など、購入しようと思っている住宅の売り主が民間の金融機関と提携しているケースは少なくないですよ」(大森さん)
住宅ローンにも様々なパターンが。しっかりと検討したいところです。
では、住宅購入の際に、「勤務先の会社が提携している金融機関の住宅ローンを利用したい」なんて言ってもいいんですね。

「その場合、自分で手続きをしなくてはいけないケースが多いので、ちょっと面倒ではありますがね。売り主が紹介する提携ローンの方が手間はかかりません」(大森さん)

よくわかりました! ただ、ちょっと疑問があるのですが、こういった住宅ローンは、住宅購入のどのタイミングで決めるものなのでしょうか?

「まあ、一般的には購入物件の契約前後ですね。住宅ローンはまず家ありき。購入する家が決まっていないと利用できません。先に住宅ローンを確保してから、それに合わせた家を選ぶことはできないんです。もちろん、住宅ローンではない、何にでも使える普通のローンなら可能でしょうが、金利がとても高い」(大森さん)

ああ、そうか。住宅ローンは、あくまで「住宅」ローンですもんね。でも、住宅ローンは自分の年収などをベースに借りられる金額が決まると聞きます。ということは、それを知らずにとっても高額な物件を契約してしまったりしたら…。

「だから、割と早いうちからローンの話って出るんです。たとえば新築マンションのモデルルームへ行って、購入の相談をしたら、最初にローンの話になります。もし、あまりに収入と見合わない物件の場合、やんわり購入を断られるはず。それに契約をする前に本当に買えるか、仕事内容や収入、勤続年数などを目安にした、住宅ローンの仮審査があります。仮審査に通れば、その後に多大な借金があることが発覚したりとか、会社を辞めてしまったといったことがない限り、本審査は通ります。だから契約してから住宅ローンが組めない、ということは基本的にありません」(大森さん)

なるほど、つまり「購入物件決定→住宅ローンの仮審査→OKが出たら物件購入の契約→住宅ローンの本審査」という流れなんですね。

そこでもうひとつ気になることがあるんです。それは頭金。住宅ローンを組むには頭金=まとまったお金がある程度必要と聞いたことがあるのですが…。後編に続きます!

頭金、管理費、修繕積立金…バカにできないローン以外のお金



住宅ローンを組むには、ある程度まとまった金額の「頭金」が必要だと聞いたことがあります。ただ、昨今の給与事情もあって、預金通帳は寂しげ。こんなんでも大丈夫でしょうか。

「基本的には大丈夫なんです。昔は『住宅ローンは物件価格の9割まで』という決まりでしたが、現在は100%借りることも不可能ではありません。つまり、頭金ゼロでも住宅ローンは組めるんです」(「住まい研究塾」主宰・大森広司さん)

ちょっとホッとしました…。

「でも、頭金、つまり自己資金はなるべくあった方がいい。住宅ローンを払う期間が長ければ、返済総額も増えるわけですし。それに住宅ローンを組める金額には限度があるので、頭金が多いほど、買える金額は多くなるんです」(大森さん)

では、もう少し自己資金を貯めてから考え直します、という選択もあり。

「ええ。たとえば将来、転勤などで家を売却しなければいけなくなった場合、住宅ローンの金額がたくさん残っていると、売りたくても売れないケースもあったりしますし。ただ、購入のタイミングを待っている間に金利が大きく上がってしまう可能性もありますからね…難しいところです」(大森さん)

いずれによせ、自分の預貯金や給与、将来の収入などを総合的に考える必要がありそうですね。

「モデルルームや不動産会社で相談となれば、シミュレーションをしてくれますから、参考にした方がいいですよ。ちなみに将来のお金で考慮する必要があるのは、教育費。あとはマンションの場合はローンの支払いのほかに、月々支払う管理費や修繕積立金も頭に入れて住宅ローンを決めた方がいい」(大森さん)

管理費や修繕積立金がけっこうな額になるときもあるから、忘れない方がよさそう。ホント、住宅ローンっていろいろな要素が絡んできますね。ほかには何か知っておくべきことはありますか。

「あと、住宅ローン控除は知っておくべきでしょう。これは住宅ローンを利用して住宅を購入した人たちが、定められた条件をクリアすれば所得税から一定の金額を還付してもらえる制度です。簡単にいえば、住宅ローンを組んで家を買うと、最初の10年間は所得税が安くなる。金額も10年間で最大500万円とけっこうな金額です。まあ、一般的には200万~300万円くらいになることが多いですけど」(大森さん)

おお! それは助かります!

「ただ、住宅ローン控除は、現状、あと4年間だけの措置で、しかも金額は年々縮小されています。一般的な住宅の場合、今年入居した人は最大500万円ですが、来年入居となると最大400万円に縮小される予定です」

金利の話もそうでしたが、「今が購入のチャンス!」といわれるのは、いろいろ理由があるんですね。
マンションであれば、管理費や修繕積立金も払い続ける必要があります。事前にしっかり確認しましょう。同じ価格の物件でも「管理費+修繕積立金」が3万円なら30年間で1080万円、6万円なら30年間で2160万円支払う必要が出てきます。 ※イラストはイメージです。 ※管理費、修繕積立金は途中で変わる場合もあります。
「最後にもうひとつ。実は、家を購入するにはいろいろな手続きが必要になります。その諸経費もけっこうな金額になるので、忘れないでください。新築マンションの場合だと価格の4~5%くらいになることも……」

ということは…3000万円の家だったら100万円以上かかっちゃう! やばい、そんなに使える貯金、ないっす!

「まあ、最近は諸経費込みのローンもあることはありますが…その分、住宅ローンの借り入れ金額が増えるので、審査が厳しくなることも。それに将来、仕事の都合などで、住宅ローンの支払いが厳しくなることも考えられます。その場合、銀行など借り入れ先に相談して、支払額を変えたりもできますが、そもそも住宅ローンの返済を終えていればそんな心配もない。早く住宅ローンを完済するためにも、結局は自己資金が多いに越したことはないんです」(大森さん)

なんか、貯金したくなってくるお話ですね。でも、家を買うならそういう意識の高まりはいいこと。今からさっそく購入計画を立ててみます! この2回で住宅ローンにもいろいろな種類があって、さらに今は頭金が無くても住宅ローンが組めたり、住宅ローン控除があるなど、住宅の購入を応援してくれるような状況であることがわかりました。

家の価格を見て、ちょっとビビッてしまうこともあったんですが、ローンの内容や補助次第ではなんとかなるかも、という気もしてきます。

これからは、金額を見ただけですぐにあきらめず、しっかり勉強して家を買うことを目指していこうと思います!

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