今週は“旅に出た気分になれる映画”

美しい山の風景に心洗われる映画『サン・ジャックへの道』

2010.04.27 TUE


サン・ジャックは、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教3大聖地のひとつ。キリスト12使徒の一人である聖ヤコブの墓がこの地で見つかったとされ、今も多くの巡礼者を集める。巡礼路は、1993年に世界遺産に (c)2005-Telema-France 2 cinema-eniloc
新年度のバタバタで、疲れきっているR25世代も多いのでは? 仕事を終えて帰宅したら、さっぱりリフレッシュして明日への気力を養いたいところ。そこで、ひととき爽やかな風景に触れて目と心を休められる映画『サン・ジャックへの道』を紹介しよう。

物語は、老母の遺言から始まる。ばらばらに暮らす三人の子ども――会社経営と家庭のストレスに苦しむ兄・ピエール、独善的で頑固な女性教師のクララ、アルコール漬けで一文無しの弟・クロード――に遺産を分け与えるというのだ。ただし、「三人でサン・ジャックへ巡礼すること」という条件付き。それぞれに悩みを抱え、決して折り合いがよいとは言えない中年三きょうだいは、しぶしぶ旅路をともにすることになった。

フランス南部からピレネー山脈を越え、スペイン西部の聖地サン・ジャックまで、1500キロに及ぶ徒歩の旅。三人はベテラン・ガイドのギイに案内をたのみ、フランス人の少女ふたり、アラブ系の青年ふたり、そして頭にターバンを巻いた中年女性という総勢9名のツアーに参加する。

時にのどか、時に雄大な山の眺めが、全編に満ち溢れている。晴れの日も雨の日も、起伏に富んだ山道を歩き続ける姿は、まさに人生さながら。9人の会話からは、それぞれの痛みと喜びが徐々に浮かび上がってくる。美しい風景の中、ひたすら歩き、語り、笑い、泣き、そして旅の終わりに9人が得るものとは?

彼らといっしょに笑ったり泣いたりしているうちに、観ているあなたの胸にも新たな活力が湧いてくるはず。あざやかな風景と言葉の数々を胸に、また明日も歩いていこう。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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