カンヌが注目する北野映画最新作

『アウトレイジ』で考える 欧米人はヤクザ映画好き?

2010.05.20 THU

5月12日から開催中のカンヌ映画祭で、北野武監督の最新作『アウトレイジ』がコンペティション部門に出品されている。同作は巨大暴力団組織の下剋上抗争を描いたRー15指定の本格バイオレンス・アクションだ。北野映画でおなじみの“暴力性”や“ヤクザ”というアイコン。それらは、欧米ではどうとらえられているのだろうか? ヤクザ映画に造詣の深い『映画秘宝』の岩田和明さん、その違いを教えてくださーい!

「ヨーロッパでヤクザをモチーフにした映画といえば北野バイオレンスというイメージが強いですね。そもそもヨーロッパでは映画に文化・芸術性を求める傾向があり、小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男といった芸術性の高い監督が評価されてきました。そのため、かつて日本で人気を博した娯楽性重視のヤクザ映画は、一部のコアな映画通が観るものだったのです。ところが北野監督はヤクザや暴力描写を多用しつつも、“キタノ・ブルー”と称される映像美や私小説的作品構造などの作家性を打ち出し、絶大なインパクトを与えたのです」

なるほど今年3月にはフランス芸術文化勲章が授与されるなど、北野監督のヨーロッパでの評価の高さはある意味日本以上ですもんね。ではアメリカではヤクザ映画はどう受け止められているんでしょうか?

「ヤクザ映画が日本を表す娯楽アイコンとして広く認知され機能しているのがアメリカです。東映ヤクザ映画のファンと公言するタランティーノ監督による『キル・ビル』(03年)は、“日本刀、殺陣、演歌、千葉真一”といったヤクザアイコンが満載で大ヒットしました。また“指詰め”“日本刀アクション”などヤクザがエンタメ色豊かに描かれた『片腕マシンガール』(08年)では、米国公開を前に海外版予告編が100万アクセスを突破する熱狂ぶりでした」(同)

23日に結果発表となるカンヌ映画祭でもし『アウトレイジ』が受賞したら…。

今度は世界中に北野版・ヤクザ映画旋風が吹いちゃうかも!?
(足立美由紀)


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