世界中から称賛の声が続々!

深堀隆介氏のリアルすぎる金魚絵

2012.09.06 THU


写真は、2011年制作の「美渦(みうず/英:Muses)」。使われている容器はフリーマーケットで見つけた寿司桶。躍動感あふれる金魚に目を奪われがちだが、ポンプや水草も深堀さんが描いたもの。昨年刊行された『金魚養画場』(2625円/文芸社)では、他にもさまざまな金魚アートとの出会いが楽しめる。
深堀隆介 個展「色浴ノ秋(しょくよくのあき)」 2012年9月19日(水)~10月22日(月) 国…
桶の中を色鮮やかに泳ぐ金魚たち。実はこの金魚、すべて容器内の樹脂に描かれた“絵”! 美術作家の深堀隆介さんが独自の技法で描いた作品なのだ。

「僕は子供の頃から釣りが好きで、水面に魚が見えると、ドキッとしました。人間にとって魚は、上から見るのが自然な姿。実は、日本の金魚も本来、“上から見る魚”なんです。中国から日本に伝わってきた金魚は、江戸時代まで桶の中をのぞき込む鑑賞法でした。そのため、尾ひれを広げたり、目を出したりと、上から見て美しいように品種改良が繰り返されてきたんです」

しかし、水槽が流通した現在は、“金魚は横から眺める”のが一般的。

「だからこそ、僕は 本来の鑑賞法の“上見(うわみ)”にこだわって作品をつくっています。また、作品にはモデルの金魚がいるわけではなく、尾ひれや色も想像です。自分の心の中の金魚を、品種改良しながら描いてるんです」

器の中に、金魚の幻影が浮かび上がった時、作品制作が始まるという。そんな深堀さんに、金魚の美しさを気づかせてくれたのは、7年間飼っていた一匹の金魚だった。

「何を表現したらいいかわからず、作家をやめようと思った時、ふと部屋に置かれた水槽が目に入り、なにげなく中の金魚をのぞき込んだんです。そのとき、汚れた水の中にいた金魚の背中に、なんとも言えない妖しさと美しさを感じ、すぐに、金魚を描き始めたんです」

これが転機となり、金魚を描き始め、今や唯一無二の金魚アーティストとなった深堀さんは、こう語る。

「僕は、金魚に日本人そのものを感じています。金魚も日本人も大陸からこの島国・日本に渡ってきたという同じ背景を持ち、ともに歩んできた長い歴史がある。だからこそ、金魚は、いにしえより続く、哀愁ある“美しき日本”を表現できると思うんです」

9月には国立新美術館での個展も予定されている。ぜひ間近で鑑賞してもらいたい。
(大貫未来)


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