各地の特産品を活かした多彩な一品が続々

あんもち雑煮…ご当地・珍おせち

2012.12.06 THU


香川県は古くから高級砂糖「和三盆」の産地。あんもち雑煮には原料の白下糖を用いたそう
画像提供/香川県農政水産部農学経営課(下)、PIXTA(左)
年の瀬も迫り、正月の足音が聞こえてきた。百貨店やコンビニでは「おせち」予約受付の真っただ中。昨今は洋風や中華風おせちも登場し、若い世代に人気だ。

そんな中で「郷土のおせちにも触れていただきたいですね」と語るのは「郷土料理伝承学校」校長の向笠千恵子さん。向笠さんによれば、おせちは郷土色豊かな日本料理の代表例。全国各地に多彩な“ご当地おせち”があるという。そこで向笠さんに変わり種の“ご当地おせち”をうかがった。

まずは、香川県の「あんもち雑煮」。甘いあんこ入りの丸餅が浸かっているのは、白味噌&いりこダシのオーソドックスなお雑煮の汁。甘い物が手に入りにくかった江戸時代、“正月のご馳走くらいは”と、特産品の砂糖をたっぷり使ったのが始まりだとか。あんこ×いりこダシの組み合わせはミスマッチのようだが、香川県民にはなじみの味。今も各家庭で受け継がれ、正月には一部飲食店でも提供される。

一方、石川県には「べろべろ」という奇妙な名前のおせちがある。寒天に溶き卵を流して固めた料理で、氷のような姿が彩り鮮やかな正月料理を引き立てる。ユニークな名前は弾力のある食感から付いたそう。醤油と砂糖主体のシンプルな味付けで、「年配の方には懐かしい味です」とは地元金沢・青木クッキングスクール教頭の加藤重和さん。ほかにも、焼いて干したホヤをダシにする宮城県の「ホヤ雑煮」や、愛知や三重の「アラメ巻き」など、特産品を活かしたおせちは数多い。

加えて、おせちの残り物を活用した「おせちのバックアップ」料理もお勧めしたいと向笠さん。イチオシは、新巻鮭の頭を野菜や酒粕と煮込んだ北関東の「しもつかれ」。保存が利き、冷たいまま食べるのがツウだとか。

地域密着のオモシロおせちは、まだまだ地元に隠れている。正月休み、地方に出かけることがあったら、ぜひご賞味あれ。
(小越建典/アバンギャルド)


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