「視聴者のクレーム」だけじゃない!

過激テレビ番組が減った意外な理由

2014.07.30 WED


「最近のテレビはつまらない」なんて話はよく聞くが、樋口さんは意外な理由を語る…
一昔前にはテレビで放送されていたはずの刺激的な番組が、最近ではめっきり見られなくなったような…。作り手の間で自主規制するムードが強まったという噂だが、実際はどうなのだろうか? 過去には『ガチンコ!』『学校へ行こう!』、現在では『中居正広の金曜日のスマたちへ』『お願い!ランキング』など多くのバラエティ番組を手掛ける放送作家・樋口卓治さんに聞いてみた。

「IT化が進み、テレビで放送した映像がネット上に残るようになったころに、クレームやトラブルに対する危惧が急激に高まりましたね。3歳の女のコが初めてひとりでシャンプーに挑戦する、という企画があったのですが、小児性愛者が悪用することを懸念し女のコの体にモザイクをかけることに…。結果的に企画本来の面白さまで伝わりにくくなりました。これは一例にすぎませんが、このような過剰ともいえる危惧により、テレビでできる企画は減り始めた感覚があります」

Twitterなどで番組への不満や文句を投稿している人もよく見ます。SNSの普及で視聴者の見方が変化したようなところもあるんでしょうか?

「そうですね。視聴者が番組を見ながらリアルタイムで感想を書き込むようになったため、番組全体の構成から見ると起承転結の起の段階で、すぐに批判が拡散するという現象が起こり始めました。『結まで見れば正しいメッセージが伝わる』というような企画も作りづらくなり、さらに無難な番組が増えたのではないでしょうか」

でも、たとえばエロ企画は昔から批判も覚悟して作っていたのでは?

「それに関しては『性的に過激なものを作るのがテレビの役割ではない』という考え方が強くなっているんだと思います。様々な規制をクリアして女性の裸を映したとしても、ネットにはもっと過激な映像がたくさんありますから…」

なるほど…。ちなみに、他にも刺激的な番組が減った理由はある?

「『テレビが丸くなっているのは社会が丸くなっているから』という側面もあると思います。たとえば、学校で先生に殴られていた時代の人は教師に殴られるコントで笑うことができますが、殴られたことのない人がそのようなコントを見ても非現実的なため笑えないんですよ。ニーズのない番組は当然作られないわけですが、そもそも、過激さの失われた今の社会で、過激な番組は求められているのでしょうか?」

確かに、過激さを求めてテレビを見ているわけではないような…。意外と、今のマイルドなテレビが僕たちに合っているのかも?
(黄 孟志)

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