松山ケンイチ「笹野高史さんのばばあ役は一級品!いつか自分も…」

松山ケンイチ

2016.02.25 THU

ロングインタビュー

1985年青森県生まれ。2001年にホリプロ主催の男性オーディション「New Style Audition」でグランプリ。16年には映画『怒り』『聖の青春』などが控える。映画『珍遊記』では、ピエール瀧演じる(…がそうと一見してはわからない)町の荒くれ者、山田太郎が、玄奘(倉科カナ)に打ちのめされ、妖力を吸い取られた姿を演じる。爆笑必至の異色コメディだ。2月27日(土)全国ロードショー!
漫☆画太郎の連載デビュー作として主に男子の心をわしづかみにした迷作『珍遊記』がこのたび映画化される。手がけたのは『漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他)』などで画太郎作品の映像化に定評(⁉︎)のある、山口雄大監督。町の荒くれ者だったが、玄奘にねじ伏せられて改心した主人公・山田太郎が繰り広げる珍道中…という本筋を早々に脱線し、しょうもないいざこざとバトルを繰り返す作品だ。主演はなんと、松山ケンイチ。

――いったいなんで出たんですか?

「いや僕も、なんでなんだって思いましたよ。ただ雄大さんと仕事したかったことと、画太郎先生の作品が好きでしたから。一度雄大さんに聞いたら、『出なそうなヤツが出るのが面白いんじゃないの?』といってました(笑)」

――たしかに実際面白かったですしね。画太郎先生のことはお好きだったみたいですね。

「僕の世代だと『珍遊記』より少し後で、『地獄甲子園』からなんですけど、本屋で立ち読みして爆笑しましたね。絵がばっちいというか、新品の本なのに手を洗いたくなるような。そこまで人を不快(笑)にさせるパワーはほかの漫画家にはないですよ」

――その世界観に入っちゃったわけですからすごいですよね。劇中ではほとんど全裸でしたけど、そのためになにか準備しましたか?

「だらしない体型にしてほしいって言われたんですね。男らしい感じは絶対にやめてほしいと。そのために食べてお腹出したりしましたけど。イメージ的には、千原せいじさんなんです」

――ガサツな感じ?

「いや天敵がいない感じ(笑)」

――ファンの多い作品じゃないですか。でも世界観を実写化するのは実に難しい。この時代のジャンプ作品なら、写実的な『スラムダンク』から空想的な『ドラゴンボール』まであるなかで、圧倒的に後者に振り切れてますよね。演じることへのプレッシャーはあったのでは?

「そこはすんなり乗り越えることができました。映像作品で、しかも子供にも見てもらいたいので、できることとできないことはしっかり定めています。画太郎漫画みたいに何度も(ページをコピーして)繰り返す手法もできないし、誰か死んだりということもありません。これは映画の『珍遊記』だ! って胸張って言えますよ」

――現場は楽しかったですか?

「低予算なのでスケジュールがとてもタイトなのに、韓国ロケとかしちゃって。全裸の僕の周りにはアシナガバチがたくさんいて怖かったですよ。玄奘役の倉科カナちゃんは蜂と仲良くなってて、話しかけたりしていましたね」

――倉科さんは劇中で「ち●こ、ち●こ」と連呼してましたね。

「かわいいですよね。処女感というか」

――よかったですねよねぇ。ほかにも温水(洋一)さんとの戦闘シーンや、笹野(高史)さんのばばあもすばらしかったですね

「温水さんはケガさせないように…と思っていたんですけど、全然そんな心配がないくらい動ける人で。めちゃくちゃすごいんですよ。恐ろしいアクション俳優を見つけてしまいました。最後のあの終わり方もいいですよね。続編がありそうで。カナちゃんが『いい』といってくれたら作りたいですよ」

――ところで、この作品含め、30代になってずいぶん映画に出ていますけど、なにか心境の変化がありましたか?

「特にはないですよ。みんなと同じように、なんとなく30代になったような。ただ振り返って20代を思い返してみると…ネガティブなことしかないかもしれませんね」

――ネガティブな性格なんですか?

「そうですね。ネガティブをパワーにしてきているんじゃないかと思います」

――でもずいぶん器用に仕事をされている気がしますよ。だって『珍遊記』をやったと思ったら『聖の青春』の真面目な役作りで、ずいぶん太ってたりしましたけど。

「思いっきり振り切れた方が、逆に楽な気がしますけどね。太郎の前までは時代劇やっていて。それをバッサリ斬り殺してまったく違う自分になれるのは、この仕事の醍醐味ですよね」

――この先やりたいことはありますか?

「歳を重ねると『面白い』『面白くない』というジャッジが、なんとなくですが事前にできるようになるじゃないですか。それってつまんないですよね。子供のときはなにもかもが楽しかったじゃないですか。だからいくつになっても、面白いと言いながら役者やってたいですね。笹野さんの“ばばあ役”なんて一級品でしたもん。ああなりたいですよね(笑)」

矢切渡司=取材・文/花村謙太朗=撮影

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