対照的な女性を熱演した若手演技派女優

映画2本同時公開!中西美帆「かわいげのある男性が…」

2017.02.03 FRI

今週の彼女
中西美帆
なかにし・みほ
1988年兵庫県生まれ。2009年、舞台『奇跡の人』で女優デビュー。主な出演映画はは11年『神様のカルテ』、13年『永遠の0』、14年『喰女-クイメ-』など。昭和の静岡県三島市を舞台に、家族の歴史を丁寧にひもときながら、人と時代を克明に描く映画『惑う After the Rain』では、奔放な次女を熱演。初主演映画となる『東京ウィンドオーケストラ』は、自然あふれる屋久島を舞台に、勘違いで招待されたアマチュア楽団を描くコメディ作。いずれも絶賛公開中!

中西美帆「悩んでいた時期にチャンスが舞い込んできたんです」



「私、取材受けるの好きなんですよね。こうやって自分のことじっくり聞いてくれる機会って、なかなかないじゃないですか」という女優の中西美帆さんだが、実際、語るべきことは多い。なにせ現在出演映画が2本公開中。ともにメインの役どころなのだ。

主演を務める『東京ウィンドオーケストラ』は屋久島を舞台にしたコメディ作。うっかり間違えて素人楽団を招へいしたものの、失敗の露見を恐れて隠蔽を試みるいささかしょうもない役場の職員だ。かたや『惑うAfter the Rain』は静岡県三島市にある旧家の家族の歴史を丁寧な目線で描く作品で、準主役という役どころ。おおらかな母・石川イト(宮崎美子)と堅実な姉・いずみ(佐藤仁美)を家族に持つ、やや奔放な末っ子・かえでを演じる。

対照的な2つの作品が、奇しくも同時公開となったのだ。

――滅多にないことですよね。それぞれ役作りに気を遣ったところは?

「作品や役によってアプローチの仕方はまったく変わるじゃないですか。『惑う〜』では、舞台となる三島の町のイメージを持っておきたくて、無理なお願いとは知りつつ一般のご家庭にホームステイさせていただいたんです。『東京ウィンド〜』では、撮影前に1日休みがあったので、屋久島をひとりでドライブして回りました」

――熱心ですね!

「頭でいろいろ考えるよりも、ふと湧いてくるものや、自然な振る舞いのほうが説得力があると思うんですね」

――とりわけ『東京ウィンド~』は初主演作品ですもんね。

「主演という意識はもちろんですが、ひとつの作品を作るうえで、周りの人物や物語のなかでのひとり、という意識の方が強かったです」

――公開が重なったのは、何か理由があったんですか?

「たまたま立て続けにお話をいただいたんです。実は役者として悩んでいた時期で、決まったイメージの役が多かったので、『このままでいいのかな』という疑問が湧いてきたときで」

――絶好のタイミングだったと。『惑う~』の演技は絶品でしたね。昭和後期を舞台に、自分なりの生き方を模索する女性像をはつらつと演じていました。

「私も実家暮らしで、家族が大好きですし、時間をかけてこそ築ける関係みたいなものがちゃんと表現できればと思っていました。あと私、昔の映画がすごく好きで。それこそ小津安二郎さんとか成瀬巳喜男さんの作品と、同じ空気感のある映画だと思います。フィルムで撮っていますし」

――最近だとなかなか見られなくなった畳のホームドラマで、しっとりした雰囲気が実によかったです。ご覧になっていかがでしたか?

「結婚式の様子とか、人と人との結びつき、交差する感情が丁寧に撮られているので、日本でも海外でも見ていただきたい作品ですね。世代や国が違っても、家族という普遍的なテーマを描いているので、誰もが共感できると思うんですよ。あとは宮崎美子さんと佐藤仁美さんと私の3人が演じるそれぞれの女性も、すごく対照的で。それぞれの視点の違いも楽しんでもらえたらと思います」

――ちなみに今回の2作品、『東京ウィンド~』では不倫、『惑う~』では恋愛結婚と、いずれも男女関係を描いています。中西さん自身はどんなタイプに惹かれます?

「私、かわいげのある人が好きなんです。役所広司さん!」

――極端な例ですね(笑)。年齢は関係ない?

「この世界にいると、みなさん年齢不詳じゃないですか。だから感覚がおかしくなっているのかも。役者同士でよく話すんですよ。監督とか助監とか、どのポジションが好き? って。そうしたら音声さんの腕の筋肉がいいとか、照明さんはキレイにみせてくれるからとか」

――いかにも女優さんらしいですね〜。こんなお付き合いがしたい! …みたいな理想は?

「う~ん、なんかやっぱり、美術館とかで、一緒に作品を見たいんですよね。その人がどういう感性でどう理解しているか知りたいし、そこから何を感じたかを語り合える相手がいいなって思います」

吉州正行=取材・文/花村謙太朗(URBAN NIGHT PICTURE Inc.)=撮影

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