自費出版から正式発行へ

静かなブーム絵本『戦争のつくりかた』

2004.08.05 THU

『戦争のつくりかた』というたった36ページの小冊子が静かなムーブメントを呼んでいる。

本作は、有事法制の勉強会を続ける主婦や会社員のほか、各地で様々な活動をしている人々がつながり、1500通を超えるメールのやりとりを経て作成された。メンバーには翻訳家の池田香代子さんや大学教員の今村和宏さん、弁護士の飯森和彦さん、画家の井上ヤスミチさんらも参加している。

「あなたは戦争がどういうものか知っていますか?」という問いかけから始まり、“戦争しない国”が“戦争できる国”に段階を追って変化していく様を、実際に制定された法律などをフックにストーリー展開していく。子どもから高齢者まで読めるよう、難しい漢字にはルビが振られ、日常で使うわかりやすい言葉とイラストレーションで織り成されている。

6月1日に発行された初版本5000部は、またたく間に完売となった。

「当初、東京旭屋書店のみでの扱いでしたが、新聞で紹介されたことがきっかけで口コミで広がりました。現在、初版本を含めブックレット版は、3万3000部限定で発行。内容はネットや携帯でもご覧いただけます」(りぼん・ぷろじぇくと)

ある書店では、6月中旬、週間売上冊数で『バカの壁』を押さえトップになり、その後も上位をキープしているという。

市民グループが自費出版で発行してきた本作に、解説や参照した法律条文の抜粋を付記され、この7月末にマガジンハウスから正式に発行された。「自費出版だとカバーしきれない地方の方にも届けたいと思い発行を決定しました。日本人だけの問題ではないので、日本語に英訳を併記しています。今後は韓国語や中国語も対応していきたい」(マガジンハウス 坂脇秀治氏)

この8月15日で日本は59回目の終戦記念日を迎える。国際社会の中で日本が担う役割について、この機会にちょっと考えてみるのもいいのかもしれない。

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