幻の傑作がまさかの完成!

ビーチ・ボーイズ『スマイル』がなんと38年ぶりに奇跡の登場

2004.09.30 THU

音楽で“夏の定番”といえば、TUBEやサザンなどを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、60~70年代までは、ビーチ、ビキニ、ドライブとくれば、ビーチ・ボーイズを連想するのが、ちょっとした世界標準だった。

60年代アメリカを代表するバンドであるビーチ・ボーイズは、ビートルズを受けて立つことのできる唯一のアメリカン・バンドとして、当時は絶大な人気を誇っていた。影響は日本にも及び、桑田佳祐や大滝詠一、山下達郎、コーネリアスなどの作品も、彼らの影響を抜きには語れないほどだ。

ビーチ・ボーイズの代表作は66年の『ペット・サウンズ』とされる。が、実は同年に録音半ばでお蔵入りした『スマイル』という作品があった。完成すればビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド』(67年)に匹敵する名盤になったであろう、とされるロック史上最も有名な未完のアルバムだ。その“幻の傑作”が、制作中止から38年の歳月を数えるこの秋、再レコーディングされて初めて完全な形で発表されることになった。

名義はブライアン・ウィルソン。ビーチ・ボーイズのリーダーであり、プロデューサーだった天才である。60年代半ばから精神的に不安定となり『スマイル』制作中に完全に壊れてしまった彼は、その後ドラッグ漬けになるなど80年代末まで事実上の隠遁生活を送る。ビートルズに優るとも劣らない彼の才能を周囲の人々やマーケットが正しく評価しなかったせいだともいわれる。

確かに彼は88年にソロ・アーティストとして奇跡の復活を遂げ、近年もますます精力的に活動していた。しかし、完全版『スマイル』の発表は、それでも「まさか!?」な大事件なのだ。そしてその内容は、21世紀を迎えた現在でもなお、ロックの楽しさと可能性を広げるポテンシャルを内包した、根源的かつ重厚なものだった…! 確実にロック史に新たなページを書き加える名作が、ついに幻のヴェールを脱いだ。

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