年間数十万人が失踪している!?

吾妻ひでお『失踪日記』に学ぶ失踪の苦労と現実

2005.05.19 THU

一人の漫画家が仕事を放り投げて失踪。自殺未遂、ホームレス生活、偽名による日雇い労働、そして重度のアル中による強制入院…というハードな実体験をつづったマンガが話題になっている。吾妻ひでおの『失踪日記』(イースト・プレス)だ。

19歳で少年誌デビューを果たした彼は、70年代~80年代にかけて漫画家としての地位を確立する。ところが、過労と表現に対する悩みなどから89年(当時39歳)に突然失踪。4カ月後に戻るものの再び失踪。今度は1年間続いた。でも、これってまったくの他人事ではないですよね。私たちも人生の壁に当たったとき、すべてを捨てて失踪したくなる時があるわけで…。

では、それを実行に移す人はどれぐらいいるのだろう。警察庁によれば、平成15年に家出捜索願を受理した家出人は10万1855人で、そのうち同年中に所在が確認されたのは8万9734人。つまり、9割は1年以内に戻ってくる“家出人”なのだ。しかし、この失踪が7年続くと家族などは家庭裁判所に失踪宣告の請求ができ、宣告されれば死亡者扱いに。失踪宣告の請求は毎年約2500件(取り消しも含む)ほど出されているという。

しかし、失踪者情報の公開や収集・捜索のアドバイスなど、失踪者捜索支援を専門とする日本行方不明者捜索支援協会(MPS)はこう言う。「実際にはもっと多いでしょうね。捜索願が出されていない人がこの2倍~3倍はいるはず。なんらかの理由で家族から届け出をされない場合もあるんです。失踪の原因としては家庭や仕事関係、病気などが多いようです」。ちなみに、捜索方法としては「まず友人関係や立ち寄り先などを探します。口座の履歴も居場所の地域を絞る重要な情報」(同)とのこと。

とはいえ、失踪するのもされるのも、できれば経験したくないもの。『失踪日記』を読んで失踪生活の苦労と現実を学んだら、心機一転、また明日からがんばりましょう!

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