小泉・安倍の違いがよくわかる!?

小泉さんの右腕の回顧録『小泉官邸秘録』とは?

2007.02.08 THU



写真提供/時事通信
政権発足以来、閣僚の不祥事が相次ぎ、安倍内閣の支持率低下が止まらない。こんなとき、必ずでてくるのが「やっぱり小泉さんはすごかった」という声だ。でも、実際のところ、安倍さんと小泉さんはどう違うのだろう?

それを考えるうえで格好のテキストとなる本がある。30年以上にわたって小泉さんの秘書をつとめてきた飯島勲元首相秘書官が小泉政権の内幕を綴った回顧録、『小泉官邸秘録』(日本経済新聞社)がそれだ。

この本のポイントは大きく分けてふたつある。まずひとつ目は、5年5カ月に及んだ「小泉劇場」の舞台裏を小泉さんの側近中の側近である首席秘書官の視点で読めるということ。しかし、それ以上に興味深いのは、随所にでてくる《官僚機構というのは「使いこなす」もの》といった部分だ。

じつは、首相秘書官には飯島氏のような政務担当のほかに、財務省・外務省・経産省・警察庁の4省庁から4人の事務担当が送りこまれてくる。彼らは首相直属のスタッフであると同時に省益のためにも動くので、政治家がどうやって彼らを使いこなすかがとても重要になってくるわけだ。そのうえ小泉さんは、ほかの省庁からも5人の官僚を集めて特命担当参事官を設置。この飯島氏を含めた10人の「チーム小泉」で官邸を動かし、北朝鮮問題やイラク戦争、郵政民営化などの難関を乗り切ったという。

この官邸主導というやり方は、安倍さんも同じようなことをしている。たとえば、首相直属のスタッフとして10人の官僚を集めたり、5人の補佐官を置いてみたり。でも、スタイルだけを真似ても意味がないのは支持率低下をみればはっきりしている。

重要なのは、チーム力とそれを動かすマネジメント力。小泉と安倍は似て非なるものである――。この本は、そんなことを言っているようにも読めるのだ。それはなにも政治の話だけじゃなく、ビジネスの世界にも同じことがいえるはず。思えば批判されることの多かった小泉政権だが、この点は学ぶべき部分かもしれない。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト