ロマンあふれる新(珍)説!?

「伝統的な日本語の起源はなんとラテン語」ってホント?

2007.09.06 THU



イラスト:マツモトカズトク
「日本語の起源は、ラテン語だった!」「こころ」「すめら」「さらば」など、日本古来の単語とラテン語の発音の共通性が、700以上列挙されている『ラテン語と日本語の語源的関係』(サンパウロ出版)では、そんな新説が唱えられているという。著者の与謝野達氏は、某大手証券会社に務める金融マン。ちなみに実兄は、政治家の与謝野馨氏。さらに祖父母は、明治時代の歌人夫婦、与謝野鉄幹・晶子である。やはり、浪漫派歌人の血が影響を与えたのだろうか?

「いえ、文学的才能はあまり受け継いでいないと思います。小学校の担任の先生が、語呂合わせが好きだったので、そちらの影響の方が大きいかもしれませんね(笑)」(著者の与謝野氏)

ただし、文法や歴史的変遷に関する考察が抜け落ちている点については、批判的意見もある。

「異言語の類縁関係の目安とされる『数の数え方』が一致しないなど、比較言語学的な問題点がそのままです。また、肝心の歴史的傍証も挙げられていません。そのため、過去の『ダジャレ語源本』同様、学術的には空耳アワーの域を出ることはないのですが…。しかし、これだけの『実例』を独力で収集し、600ページを超える大著にまとめあげた著者の労力と執念には、正直頭が下がります」(言語学関係の書籍に詳しい「と学会」メンバーの気楽院氏)。

「私は専門家ではありませんから、この著書が今後の日本語研究に少しでも役立てば、と考えているわけです。ただ、日本史上、3~6世紀は文献のない空白の期間なんです。その間に劇的な異文化交流があった可能性は多いにあります」(与謝野氏)

確かに、4~5世紀にはヨーロッパで民族大移動なんてことも起こっていたわけだから、ローマ文化がはるばる日本まで伝わっていたとしても、不思議でないかもしれない。太古の歴史にロマンを馳せつつ、ページをめくるのが正しい読み方かも。


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