激闘の体験を克明に記録

これぞ電脳ボクサー!佐々木基樹のブログが面白い

2008.03.21 FRI


「ボクサー日記」と題される佐々木基樹のブログ。「引退したら『元・ボクサー日記』に改題しようかな(笑)」とか。お茶目なだけでなく、東洋一の実力も証明したばかりだ 写真提供/金沢興一
「ふぉっふぉっふぉ~(^^)  さすが俺! ステキ!」

こんなファンキーな一文から始まるある日のブログ。これ、何を隠そうプロボクサー、それも東洋太平洋ウェルター級チャンピオンの日記なのである。

佐々木基樹、32歳。早稲田大学在学中からプロとして活躍。冒頭のブログは、東洋太平洋王座を獲得した最新ファイトの記録(2/17)だ。

「国文科卒ですし、文章を書くのは好きですね」と語る佐々木選手は、ブロガーとしてもファンから親しまれる異色の存在。アスリートのブログは珍しくないが、佐々木基樹のブログは臨場感が一味違う。

一般的には、実態の詳細が伝わりにくいプロボクサーの世界。ブログでは試合を控えたボクサーの生活や心情が、当事者の視点でリアルに綴られる。試合を終えたその日の夜に更新されることも多く、「1Rの奇襲。あれは前から誰にも言わず心に決めていた」など、本人ならではの情報が余すところなく吐きだされるのは、もはや名物といえる。

しかしボクサーって、激闘の直後にPCに向かう余裕があるものなのだろうか?

「試合のあとは極度の興奮状態にあるせいか、全然眠れないんですよ。だから祝勝会を終えて帰宅したら、やることないからパソコンに向かったりするんです」(佐々木基樹選手)

高学歴ボクサーらしく、筆力には定評がある。しかし「推敲を重ねてアップした日記より、その場の勢いでざっくばらんに書き飛ばした日記の方が反響が大きい」とか。つまり、それだけ感情がストレートに表現されているのだろう。そう考えると、たとえば減量中のボクサーの本音なんて、いかにも興味深いではないか。

また、試合前にはブログを戦術に利用することもある。数年前、ある著名選手との対戦が決まり「絶対不利」といわれた際、佐々木選手はブログ上で「勝てるわけがない」と過剰なほど弱音を吐きまくった。結果、まんまとそれを読んだ相手の油断を誘い、ファンがあっと驚く番狂わせのKO勝利を演じたのだ。

これも「作戦でした」ときっぱり語るのだから、なかなか策士である。リアルタイムのブログ読者は作戦の一端を体験したことになり、いっそう試合結果に燃えたわけだ。

ってことは、今後も対戦相手へのメッセージとか、何らか戦略上の記述が盛り込まれるのかも?

「さて、それはどうでしょうね」と、ニヤリと笑う佐々木選手。すでに次の試合に向けて本格始動しているから、ブログにも要注目だ!

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