あの名作もアラフォー!?

1968年に「スポ根漫画」が続々と生まれた背景とは?

2008.09.18 THU



写真提供/共同通信社
オリンピックイヤーでスポーツが盛り上がっている今年。数多くの「スポ根漫画」が誕生40周年を迎える記念すべき年だって知ってました?

実は『あしたのジョー』『タイガーマスク』『アタックNo.1』『サインはV!』という不朽の名作はすべて、ちょうど40年前の1968年に連載開始されたものなんです。

「確かに、その年はスポ根元年と言ってもいいですね。同じ年に『巨人の星』がアニメ化されたことも大きいです。子供たちはもちろん、漫画に興味のなかった若者や大人たちの心もつかんだことが、スポ根漫画の黄金期を迎えた要因と言えますね」と語るのは、漫画専門店・まんだらけ中野店の國澤博司さん。となると気になるのが、当時のスポーツ界の指導方法。やはりスポ根的だったのか? 60年代のスポーツに詳しい、秩父宮記念スポーツ博物館の伊藤敬さんに聞いてみた。

「戦後、非科学的だとされていた根性論は、1964年の東京オリンピック開催直後に、息を吹き返しました。金メダルを獲得した女子バレーボール、いわゆる東洋の魔女を率いた監督の大松博文さんと、金メダルを5個も獲得したレスリングの監督・八田一朗さんの指導方法が、ハードなトレーニングだったんです。どちらも華々しい成績を収めたことで、厳しい練習に耐えて努力してこそナンボという風潮が出てきました。漫画だけでなく、実際のスポーツ界でも根性が一種の流行語になった時代でしたね」

努力や根性という言葉が、戦後の復興から高度経済成長を遂げた日本の姿とダブったという見方もある。1968年の日本と言えばいざなぎ景気真っ只中。GNPもアメリカに次ぎ、世界第2位となった年だ。やがて70年代に入ると、スポ根漫画は反権力の象徴として、学生運動にまで影響を与えることに。豊かになった時代で、自らの居所や目標を見失いがちだった当時の若者にとって、スポ根漫画の主人公の生き様は人生の教科書だったのかもしれない。

1968年に続々生まれた「スポ根漫画」。その奥は実に深い。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト