秋葉原文化考

第1回 アキバは最近、どう変化してきてるの?

2008.12.25 THU

秋葉原文化考


07年9月に閉店した「ラオックス ザ・コンピュータ館」。閉まったままのシャッターの前に、バイクが並んで止められている。もうこのシャッターが開かれることはないのだろうか?

どうして秋葉原のPCショップが相次いで倒産しちゃったの?



近年、秋葉原の電器店やPCショップの閉店が相次いでいます。長らく秋葉原で営業し、アキバの顔と呼ばれたような老舗まで閉店の憂き目にあっているんです。ここ数年で閉店してしまった主要なお店を、以下にざっと挙げてみました。

05年 3月 パソコン工房秋葉原店
07年 7月 ナカウラ
07年 9月 ラオックス ザ・コンピュータ館
07年 11月 サトームセン駅前1号店
08年 1月 高速電脳
08年 10月 ツクモ電機(民事再生法適用申請で、一時閉店)
08年 11月 石丸電気パソコン館

改めてその多さに驚かされます。個人的には、秋葉原駅を降りるとすぐに、あの有名な「サトームセン」ソングが聞こえてきていたサトームセン駅前店がなくなったのが寂しいです。

電気街の名を冠する秋葉原で、電器店・PCショップの閉店が相次いでいる理由はなんなのでしょう? 多くのPCショップ閉店のニュースを伝えた、アキバ経済新聞の北川さんに聞きました。

「まず、サトームセンや石丸電気パソコン館の閉店に関しては、ヤマダ電機を筆頭とした家電量販店の再編に巻き込まれたことと、不況の影響もあります。PCショップについては、一時期の自作PCブームが去り、昨今は自分でPCを作る人が減ってきていることが影響しているでしょう。昔は自分でPCのパーツを買って、自作をした方が安くて高性能なものができましたが、今はメーカー製のPCも十分な性能を持っていますからね。また、ブーム時にパーツ系の店舗数が増えすぎたことの反動として、現在の閉店ラッシュになっているともいえます」

PCパーツは、ショップ間での価格競争が激しく、すぐに値下がりしてしまい、新品パーツの販売は利益率がすごく低いのだそう。「たとえば2万円のモニタを売っても、利益が1000円出ればいい方。昔に比べてパーツ単価も下がっている」(TWO TOP秋葉原本店 志田さん)

電気街秋葉原は、変わってしまうのでしょうか?

「秋葉原という街は常に変化をしている街なので、ずっと『電気』だけの街ではないと思います。とはいえ、今でも老舗の電子部品店が残っていたりしますよね。PCショップも同じように、その傾向は続くのでしょうが、しっかりと残っていくお店もあるでしょう」(アキバ経済新聞・北川さん)

多すぎたお店が減り、いい店が残っていくという面もあるんですね。お店が減ってはいるものの、新しく超大型店ができたり、お店がなくなった場所にまた新しい業態の店が入っていたり、衰退というより変化しているという印象がありました。

変化は少し寂しいものですが、新しい街の魅力も見逃さないようにしたいですね!
07年3月に閉店したロケット5号館ビル跡の前を通りかかると、そこでケバブ(トルコ料理)の屋台を発見! 話によると、最近の「アキバ名物」となっているのだとか。この時も多くの人で賑わいをみせていました

アキバの魅力とは何か?秋葉原を歩きながら考えてみた!



あまり秋葉原を訪れない、訪れたことのない人から以下のようなことを聞かれました。

「アキバに行くっていっても、具体的になにがあんの? 電器屋? マンガとかを買いに行くの? 特別にアキバに行く理由がわからない」

ちょくちょく秋葉原を訪れている身としては深く考えたこともなかったのですが、言われてみれば、なんででしょう? 買い物をするだけであれば、他の街でも、ネット通販でもよかったりするわけで。それでも人は(自分含め)秋葉原に集います。

というわけで、今回は実際に秋葉原を訪れて、その理由を考えてみました。秋葉原を歩くと、改めて「変な街だなぁ」としみじみ思わされます。

たとえば駅を降りてすぐ、新しいアニメDVDのポスターが建物全面に張りつけられています。でかいです。多分6畳くらいあり、圧倒されるある種の迫力があります。駅前ではメイドの格好をした人たちが、チラシを配り歩いています。メガネ店の店員が、なぜか自作ラップを歌ってメガネを売っています(これが結構ウマい!)。なぜメガネ店がラップを? 謎です。

中央通りを歩けば、「ねじれ国会餅」とか、変なお土産を売っているお店もあります。石丸電気では、アイドルや歌手のDVD発売イベントに行列ができています。路地裏に入れば、ケーブル専門店や、計測器専門店という、非常にニッチな専門店を眺めるのも、まるで異世界に迷い込んでしまったように好奇心を刺激されます。犬も歩けば棒に当たるではありませんが、アキバでは他の街にはない面白い店舗に出会えます。

秋葉原に詳しい作家、『電波男』の著者・本田透さんにも秋葉原の魅力についてお聞きしました。

「オーディオの街だった昔からアキバ系の街となった現在に至るまで、機械工作・PC(マイコンと呼ばれたころから)・アニメ・ゲーム・etc、その時々に流行している個人のインドア系趣味・妄想を全開にできる非日常空間であることが秋葉原の魅力ではないでしょうか。萌えブームが一段落した後も、何らかの新しいトレンドが秋葉原から発信されると思います」

現在、秋葉原には再開発にともなって、これまで少なかったオフィスビルが建ち、ビジネスマンが目に見えて増えています。そして、おいしいご飯が食べられるお店やオシャレな雑貨店が入った商業ビルが建つなどの変化が表れていました。秋葉原という街の持つ機能が広がり、より大勢の人々が訪れやすい街になっていくのではないでしょうか。

秋葉原では、たとえひとつのブームが去っても、その上に新しいブームが起こり、結果的にバラエティ豊かな街になっています。安売りの電器店があり、小さなパーツショップがあり、アニメグッズを取りそろえたお店があり。秋葉原の文化というのは、大きな文化がドーンとひとつだけあった街ではなく、むしろニッチな文化が寄り集まって、複合的に少しずつ街としての特色を出してきたのだと思います。

このバラエティの豊かさ、「おもちゃ箱をひっくり返したような」と評される雑多さ、ユニークさが、趣味の人を呼ぶ理由、秋葉原の魅力ということになるのではないでしょうか。そんな秋葉原の魅力について、今後もどんどんお伝えしていきますよ! 電気の都秋葉原に訪れた異変。

相次ぐ電器店・PCショップの倒産や閉店の背景には、
不景気とともに、自作PC文化の衰退がありました。

しかし思えばPC街になる以前は、
ラジオパーツなど、よりオーセンティックな機械部品を扱う電機部品街だったわけで。

今は電気街から趣味の街へ変化し、
さらに駅東側の再開発にともない、
ビジネスマンや一般の人も気軽に訪れる街へと
変わろうとしているところなのかもしれません。

なんだか少し寂しい気もしますが、
どんな街だって、変わらないということはないのでしょう。

しかしアキバの街のランドマークでもあるラジオ会館の中には
現在でも老舗の小さな電機部品店が残っているように、
フィギュアショップやコスプレ専門店などの
新しい顔が増えつつも、
やはり変わらずに、積み重なって、
確かに残っていくものがある。

それが、ほかに代えがたい街の魅力
というものになっていくのではないでしょうか。

アキバカルチャーや秋葉原の街に、
気になる場所、不思議なこと、オススメの情報、
秋葉原のここが好き!etc、がありましたら、
どんどんお便りくださいね!

ワタクシ堅田が取材・調査して、
皆様のフシギ・ギモンを解決いたしますよ!

アキバ経済新聞

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