テレビゲーム文化考

第3回 最新コントローラの秘密に迫る!

2009.07.30 THU

テレビゲーム文化考

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やはりゲームの歴史を考察する上で外せないのは、
『テトリス』ではないでしょうか?

それまでのゲームは男性のものというイメージでしたが、
『テトリス』はするという女性も多かったように思います。
(中略)
ファミコンみたいなテレビを占領するゲーム機は
買ってもらえなかったけど、
唯一買ってもらったキーホルダー型のミニゲーム機に入った
『テトリス』に、子供の頃熱中したなぁ。
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投稿者:まりぶさん (鳥取県/28歳/女性)

落ちゲー(上からブロックなどが落ちてくるパズルゲーム)の
元祖と呼ばれる『テトリス』は、
シンプルなルールながらついつい熱中してしまいますよね。

テレビゲームが日本にやってきて数十年。
その間、ゲームはものすごい勢いで進化してきました。
光る点だったグラフィックは実写と見まがう3D映像になり、
単純な電子音だったサウンドは、
生オーケストラの演奏が入るまでになりました。

でも、そういった目につきやすい
華やかな進化に比べると見落とされがちですが、
実はコントローラも随分と進化しています。

その進化の過程をひもとくと、
実はコントローラの進化こそが
ゲーム業界に大きな変革を与えていたらしいのです。

今回は、そんなゲームのコントローラの歴史を振り返りつつ、
まだ発売にされていない、
最新コントローラ事情などを調査しました。

未来のコントローラってどんなものになっているんでしょう?
『日本を変えた10大ゲーム機』(多根清史著・ソフトバンク新書) ファミコン、プレイステーション、Wiiなど、数々のゲームハードが日本に与えた影響を解説した書籍

テレビゲームの進化の歴史はコントローラの歴史だった?



実写のようなグラフィックや、臨場感あふれるサウンド。

今のテレビゲームは、昔と比べてすごく進化しています。しかし進化したのは画面の中だけではありません。ボクらの手元にあるコントローラも大きく進化しているんです。

ゲームに歴史があるように、そのコントローラにも歴史があるようです。ゲームコントローラとその変革の歴史について、『日本を変えた10大ゲーム機』の著者・多根清史さんに聞きました。

「ゲームコントローラの歴史は、そのままゲーム業界の革新の歴史であったともいえます。ファミコンが出るまで、家庭用ゲーム機のコントローラはスティック型のレバーや、ステレオのボリュームのようなダイヤル型のものが主流でした。しかしそこに十字キーが搭載されたファミコンのコントローラが現れ、この方向キー+ボタンという組み合わせが、その後のコントローラの主流となります」

十字キーはもともと、ファミコンより前に発売されていた携帯型ゲーム機ゲーム&ウォッチに搭載されていたもの。任天堂の開発チームがファミコンを開発するときに、いろいろと試してみたところ、これが一番しっくりくるということで採用されたのだとか
Wiiコントローラにも搭載されている「十字キー」。左を押すと右側が持ち上がるので、手元に視線を落とさないでも、自分がどう入力しているかわかりやすい
「そして次にコントローラに変革が訪れるのがソニー・コンピュータエンタテインメントの『プレイステーション』。それまで平面的なパッド型だったものが、立体的なデザインのグリップ型になりました。さらに細かい入力が可能なアナログスティックや振動機能が搭載されるなど、発売後も改良され、どんどん進化していきました」

任天堂のほぼ独壇場だった家庭用ゲーム機のシェアを奪ったプレイステーションのコントローラは、後継機の「プレイステーション 2」(PS2)でもそのまま使えるほど優れたものだったそう。

「さらに大きな変革を起こしたのが、ニンテンドーDSとWiiですね。それまで両手で持つものだったコントローラの概念を大きく覆しました。人間の動きを感知する、それまでの家庭用ゲーム機にはない発想でした」

そして現在、任天堂は再び家庭用ゲーム機のシェアトップに返り咲いています。こうしてみると、コントローラの進化が、そのままゲームの変革につながっているように見えます。ゲーム機のグラフィック描画性能や本体機能の進化に比べて意識されることは少ないですが、実はコントローラの進化は、まさにゲームの遊び方の進化でもあったわけです。だからこそ、業界シェアを変えるほどの大きな影響力を持っていたのかもしれませんね。
Xbox 360“Project Natal”。手前の黒い機器を、テレビの前などに設置する。一見、なんだかよくわからない機械だが、中には最先端のテクノロジーが詰まっているのだ

最新ゲームコントローラはコントローラを使わない!?



2009年6月、アメリカ・ロサンゼルスで、E3(Electronic Entertainment Expo)と呼ばれる世界最大のゲーム業界の展示発表会が開かれ、2つの革新的なコントローラが発表されました。

「プレイステーション3」(PS3)向け新型コントローラは、棒に球がくっついたような不思議な形。これを動かすと、ゲーム画面のバットや剣がリアルに動きます。専用のカメラと組み合わせて遊ぶので、プレイヤー自身の姿をテレビ画面に映し出して遊ぶこともできるのだとか。これはどういった狙いで作られているんでしょうか?

「新型コントローラは、内蔵した複数のセンサーの検出情報を高精度かつリアルタイムに処理することで、腕や手首の細かい動きもゲームに反映させることができます。これはコアゲームからカジュアルゲームまで幅広いジャンルのソフトに応用可能です。新しいコントローラで、よりリッチなゲーム体験を提供し、ユーザー層を広げていきたいと考えています」(ソニー・コンピュータエンタテインメント広報)

今あるような、人間の動きを感知するモーションコントローラを進化させた、よりリアルに近い操作感が体験可能になるのだそう。

そしてもうひとつ発表になったのが、Xbox 360用のProject Natal。特徴的なのは、コントローラを持たずに画面を操作できるところ。プレイヤーが画面に近づくと、画面内のキャラクターがプレイヤーを見たり、画面に声をかけると返事をしたりします。さらに、プレイヤーが体を動かすと、画面内のキャラも同じ動きをしたりと、なんだかすごいです。一体どういう仕組みなんでしょうか?
(C)2009 Microsoft Corporation. All Rights Reserved “Project Natal”デモプレイの様子。「プレイ!」というとゲームをスタートしてくれるほか、、音声での入力も可能。日本での発売時期は未定ですが…。早く遊んでみたい!
「テレビの前に機器を置くのですが、その中にはカメラとマイク、深度センサー、専用のソフトウェアを走らせるためのカスタムプロセッサが内蔵されています。それらのセンサーでプレイヤーの体の動き、声、顔などを認識し、認識された情報をまとめて処理し、画面の中の動きに反映させるという仕組みです。このセンサーで認識した情報を統合させて画面に反映するというところが新しい技術なのです」(Xbox 広報)

自分の声や顔の表情、動きをセンサーが感知してゲームに反映してくれる。例えるなら、自分自身がコントローラになるということでしょうか。コントローラを持たないことで、複雑になりがちな画面操作を簡単にし、普段ゲームに触れない人の心理的ハードルを下げる狙いがあるそう。

それにしても、ゲームからコントローラがなくなる時代がやってきたなんて。この先、コントローラはどう進化していくんでしょう?

「カメラを使って、あたかも自分が画面の中に入っているかのような没入感を楽しむコントローラは、カメラを使い自分をゲーム画面に映して遊ぶ『EyeToy:Play』(アイトーイプレイ/PS2)が欧米でヒットしたように、特に欧米でウケると思います。日本では家屋の事情もあり、もう少し小さくまとまった、カジュアルな体感型コントローラの方が受け入れられやすいでしょう」(『日本を変えた10大ゲーム機』著者・多根清史さん)

これから先もコントローラの進化から目が離せませんね。 先日発表になった新型コントローラは、
ユーザーのより細かい動きが反映できるようになっていたりと、
もうコントローラは不要という域にまで到達しようとしています。

あと10年くらい経ったら、
一体どんな様子でゲームを遊んでいるんでしょうか。
きっと驚くような進化が待っているに違いありません。
劇的なイノベーションを楽しみにしたいですね。

さて、「テレビゲーム文化考」では、
今後も引き続き、テレビゲームにまつわるギモン・フシギを募集しています。
「オンラインゲームって儲かってるの?」
「ゲームってどうやって動いてるの?」
「あのゲームの開発秘話を知りたい」
などなど、不思議なことや知りたいことがありましたら、
どしどしお便りくださいね。
ワタクシ堅田が徹底調査いたしますよ!

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