SCIENCE 科学

ボクらでも手が届くように!?期待高まる宇宙体験レジャー

2009.12.03 THU

今年3月、JAXAによる設備利活用事業の一環として宇宙飛行士訓練施設が開放され、AES社が一般向け体験訓練サービス(有料)を開始した。若田光一さんの国際宇宙ステーション(ISS)滞在が注目されたこともあり、同訓練はこれまで約4000人が申し込むほどの盛況ぶりだとか。今や、ウン十億円払えば民間人だってISSに行ける時代。宇宙はずいぶん身近になったけれど、ごく普通のサラリーマンにとってはどうなのか? 日本航空協会の橋本安男さんに伺った。

「何十億円もかかる宇宙旅行だと手が届きませんよね。 “宇宙”の定義は、高度100km以上の空間です。この境目を少し越えて戻ってくる弾道飛行なら、100分の1の費用で行けるうえ、宇宙旅行の醍醐味である無重力や、丸みを帯びた地球を眺める体験もできますよ」

実は、民間企業による有人宇宙弾道飛行は04年に成功している。この技術を引き継ぎ、宇宙旅行の商業化を目指すのが、英ヴァージンギャラクティック社(VG社)。05年の計画発表時には08年からの運行を予定していたが、現状では開始に至っていない。VG社と提携するクラブツーリズムによると…。

「まもなく実際の宇宙旅客機が完成・公開される段階で、今後安全性を確認するための様々なテストを行う必要があります。運航時期は特定できませんが、早ければ2010年末。万全を期しての開始となります」(総務部・真柄 徹さん)

遅れていた機体の開発も、いよいよ大詰めを迎えている模様。ただ、安くなったとはいえ、その価格は約1800万円。まだまだサラリーマンには厳しい金額だ。

「アメリカ航空局の試算によると、宇宙弾道飛行がスタートして15年経てば、価格は400万~500万円に下がるとされています。価格を決めるのは、『機体価格』と『運航頻度(再使用性)』『積載人数』。私の試算では、お客さんを20人乗せられる機体を50億円で作り、年300回飛ばせると価格は約50万円に落ち着きます。現状では大変難しい条件ですが、宇宙旅行が本格化すれば、いずれ実現するでしょう」(前出の橋本安男さん)

50万円なら、手軽さは海外旅行並み。まだ先の話とはいえ、1800万円貯めるよりは実現の可能性が高そうだ。幸い、飛行士訓練や宇宙シアターなど、地上にいながら宇宙をイメージ&体験できる施設は増えている。そんな場所を巡って宇宙に思いを馳せながら、格安宇宙旅行の登場を待つとしよう。


  • 「宇宙飛行士訓練」を体験! 予算:2100円~3150円

    若田光一さんなどの宇宙飛行士が訓練を行ったJAXA筑波宇宙センター内の施設を使って、「閉鎖環境適応模擬訓練」「船外活動模擬訓練」「緊急対処模擬訓練」「宇宙ローバー操作模擬体験」の4種類の体験ができる(1回につき3コースまで。要予約)

    写真撮影:林和也
  • 「月の重力」を体験! 予算:400円(入館料)

    福島県郡山市にある「宇宙」をテーマにした科学館。参加体験型の展示ゾーンには、月の重力を体験できる「ムーンジャンプ」や、NASAで使われた訓練装置「トリプルスピン」などのアトラクションも

    写真提供:郡山市ふれあい科学館

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