思わず欲しくなる!

本物とは思えないほど幻想的な標本で生命の神秘を感じてみる

2009.12.16 WED


写真のワカサギは全長5~6cm程度(右下は単三電池との比較)で、防腐剤の含まれたグリセリンが入ったビンの中に浮かんでいる。初めて見たときの衝撃はかなりのもの。写真集『[新世界]透明標本』には魚やカエル、ヘビなど多くの美しい標本が掲載されている
理科室の骨格標本といったら不気味なものの代名詞のひとつ。だけど中には、その複雑な形や精巧な構造にちょっと興味がある、というレアな人もいるかもしれない。そんな人たちに紹介したいのが「透明骨格標本」。

透明なガラス容器に満たされた液体に浮かぶ、蛍光色に染まった生物の骨格。精巧に作られたフィギュアと思いきや、実はこれ実際の生物を加工したもの。薬品によって筋肉や表皮などの軟らかい部分を透明化し、骨や軟骨を染料で染めて、生きている状態に近い形で生物の骨格を観察できるようになっている。生物学の世界で古くから使われている手法だが、その美しさから最近ではアート作品としても注目を集めるようになってきた。

この透明骨格標本を作品として世に送り出しているひとりが冨田伊織さん。大学在学中に透明骨格標本の魅力にとりつかれ、2008年ごろからブログに写真を掲載したり、アート系のイベントなどに出品したりしたところ次第に注目を集めた。2009年10月にはこれまでの作品をまとめた写真集も発売されている。

冨田さんの作品の一部は販売もされているが、体長5~6cm程度の小さな魚でも標本の製作に4カ月はかかってしまうため入手が困難。書籍の発売にともない東急ハンズの一部店舗などで作品が販売されているほか、アート系イベントなどでも出展して作品を配っているとのこと。

骨なんて不吉という人がいるかもしれないけれど、一方で骸骨は永遠や不死、生命力のモチーフとしても使われてきたもの。美しい透明骨格標本を眺めながら、生物の複雑さや生命の神秘を感じてみるのもありかもね。
(青山祐輔)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト