独身オトコのロボット入門

第11回 前後左右に動く世界初の車輪とは?

2010.02.17 WED

独身オトコのロボット入門


右の写真が全方位駆動車輪機構。実際に乗ってみると、5分程度で思った通りに移動することができるようになった。電動なので音も小さく、滑るように進んでいく。リチウムイオン電池が電源で、現在の駆動時間は1時間程度だとか

縦列駐車で焦らない、未来の乗り物!



セグウェイがデビューして7年。日本では道路交通法などの問題でなかなか普及しない「パーソナルモビリティ」だが、技術は大きく進化している。

一般的に「パーソナルモビリティ」とは、一人乗りの移動機械を指すことが多い。エンジンを使う自動車やバイク、人力で走る自転車と異なり、主に電動で、操作方法もジョイスティックや体重移動など、これまでにないインターフェイスを使っており、次世代の乗り物として研究開発が進んでいる。

特に力を入れているのは、やはり自動車メーカー。中でも、今回注目するのは2009年9月に発表された、ホンダの『U3-X』だ。

『U3-X』の特徴は一輪車であること。しかし、バランスの悪い一輪でスムーズな移動ができるのか? どのような技術を使っているのかを広報部の黒田芳幸さんに伺った。

「移動するときは、体重を移動させるだけ。車体の傾きを傾斜センサーが検知して、その傾きからどの方向にどの程度の速度で移動したいのかをコンピューターが分析して動くんです。また、HOT Drive System(全方位駆動車輪機構)を搭載しており、前後左右や斜めに移動できるので、狭い場所などでもUターンをする必要がなく、ラクに動けるんですよ」 HOT Drive System(全方位駆動車輪機構)とは、横向きに配置された複数の小さな車輪を一列につなぎ合わせて、大きな一つの車輪を構成する世界初のシステム。大きな車輪は前後移動を、小さな車輪は左右移動を、そして、両方を組み合わせることで、斜めの移動を可能にしている。ちなみに、写真撮影NGの極秘技術なのだ。

「将来的には、車のタイヤにも活用できるかもしれませんね」と黒田さん。そうなると、縦列駐車も簡単になりそうだ。

しかし、いくら移動が簡単でも、そもそも一輪車にバランスよく乗る自信がない…。

「『U3-X』は自立するから大丈夫です。『倒立振子』という原理で、重心がずれたらそれを感知して支点も動くことで、常にバランスをとっているんです。『ASIMO』の研究で培った、バランス制御技術を応用して車体を制御しているんです」と黒田さん。

『ASIMO』も『U3-X』もホンダの基礎技術研究センターで研究されているのだが、その目的は、移動する喜びや楽しさを拡大する次世代のモビリティの提案とのこと。

通勤に、週末のレジャーに、もしかしたらスポーツ感覚で、新しい乗り物が僕らの生活の一部になる日が楽しみだ。 投稿募集はこちら ロボットについて、知りたいこと、気になることがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿して下さい。

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