心当たりのある人も多いはず…

立ち止まると流れる汗の仕組みは?

2012.08.06 MON


空調の効いた部屋にばかりいると発汗しないため汗腺の機能が低下し、汗に尿素などのニオイ成分が含まれやすくなる。ニオイ対策のためにも普段から汗をかくことが大切だ。
今年も最高気温が39.2度を記録する都道府県も出るなど、猛暑の日が続いている。ちょっと外を歩いただけで額や背中に流れるような汗をかく、なんてことも珍しくない。制汗剤やタオルが必需品となる季節だろう。

ところでこの汗、歩いている時にはあまり流れないのに、立ち止まった瞬間にドバッと噴き出すイメージを持つ人も多いのではないだろうか? 外回りなどで取引先を訪問し、いざ人と会う時には汗がダラダラ…なんてことはなるべく避けたい。これは一体、どんなメカニズムなのだろう? というか、そもそも勘違いなのだろうか?

「勘違いではありません。汗が流れる時は皮膚血管の血液量が豊富になるのですが、歩いている最中は血液が筋肉へ優先的に集まるため、皮膚血管の血液量が上がらず、発汗しにくいんですね。その後、立ち止まった時には体に熱ができており、体温を下げようと皮膚血管に一気に血が集まります。そのため、汗が一斉に噴き出すのだと考えられます」

お答えいただいたのは、汗に関する著書を多数持つ医師の五味常明先生。血液がその理由ということだが、さらにもう1つ、考えられる理由があるという。 

「歩いている時には皮膚の表面を空気が流れており、立ち止まっている時より汗が蒸発しやすい。そのため、歩いている時の方が発汗を感じにくいともいえるでしょう。また、汗が蒸発すると体の熱は気化熱として放出されますから、その分、皮膚温度が下がり発汗が抑えられるという側面もあります」(五味先生)

立ち止まってから汗が流れる原因は、主にこの2つといえるようだ。そのほか、たとえば仕事での移動などにおいては、現場に着いてから自分にかかる緊張感がさらに発汗を促している場合もある。

さて、立ち止まると汗が流れる仕組みが分かったところで、知りたいのは汗の抑え方。目的地に着いてから、ドバッと汗が噴き出す現象を避けるにはどうすればいいのだろうか?

「立ち止まった時、少しでもうちわや扇子であおぐことです。先ほど言ったように、汗は蒸発することで体の熱を放出させます。体に風を当てると汗は蒸発しやすくなりますから、その分皮膚温度が下がり、結果的に発汗を少なくさせるんですね。ですから汗に悩む人は、小さめのうちわや扇子を持ち歩くことをオススメします」(同)

もちろん、なるべく歩くペースを遅めにしたり、目的地の手前で歩くスピードを落としたりすることで、体温の上昇を抑えられる。立ち止まったときの発汗を、より少なくできるようだ。

「普段からの訓練でも発汗は抑えられます。熱帯地方に住む人は自然に汗腺が訓練されるため、少量の発汗で体温調節できるようになるのですが、これを応用して、1日30分くらい熱い湯に入ったり、できるだけクーラーを使わなかったりして普段から汗腺を暑さに慣れさせましょう。すると次第に汗腺機能が高まり、より少ない発汗で体温を調節できるようになるんですね」(同)

そのほか、発汗には精神面も大きく作用するため「汗を止めようとせず開き直る」意識も大切とのこと。

これらのアドバイスを元に、残りの夏は少しでも汗とうまく付き合いたいものだ。
(河合力)

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