人と人を繋ぐ新しいスタイル

Qlippyで誰かと一緒にツイ読

2012.08.14 TUE


Qlippyのユーザートップページ。このように読んだ本が本棚のようにストックされ、それぞれの感想がユーザー間で共有される。TwitterやFacebookなどのアカウントでもログインが可能だ
出版不況や若者の活字離れなど、本にまつわるネガティブな情報が飛び交う昨今。その一方でしばらく前から電子書籍が話題となり、読書スタイルの幅が広がってきた感がある。そんな流れを受け、ソーシャルメディアを利用した新しい読書のスタイルが注目されているのをご存じだろうか。

「WebやPCに近しい世代にとって、読書はもはや紙にこだわる必要はない。Webだからこそできることを考えています」

と語るのは、読書体験を共有するサービス「Qlippy」を運営・開発する株式会社SpinningWorksの白形洋一氏。

2009年から開発がスタートした同サービスでは、読んだ本の好きな部分についてコメントを書きこんで他の読者と互いの感想を共有したり、後で読み返したい部分をマーキングしたり、記事をクリップしたりできるなど、Webならではの機能が盛り込まれている。

「Qlippyは読者を繋げるプラットフォーム。様々な種類の電子書籍リーダーと連動も可能なので、読書環境の違いを越えてコミュニケーションすることができます。今後は読者間だけではなく、例えばその本の著者や編集者を巻き込むなど、紙の本では出来ない読書の楽しみ方を提案したいですね」(白形氏)

一方、既存のサービスを利用して読書の楽しみを共有するのが、Twitter読書会だ。Twitterのハッシュタグを利用して、24時間の会期中に課題本についての意見を交わすという同読書会を主宰するゆりいか氏にお話を伺った。

「本好きなら、その本がどう面白かったか話したいと思うもの。それがTwitterを使えば簡単にできるんです。今では参加者同士が実際に会って交友を深めるなど、Twitterでのコミュニケーションがリアルな世界にフィードバックされているのが面白いですね」

そこで、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』が課題となった回に密かに参加してみることに。ドキドキしながら指定の時間を迎えるとツイートが増え始めた。その内容は、ここが面白かったという素朴な感想から、ラストシーンについての解釈まで様々。会期中には、ゆりいか氏がラジオDJのように読書会参加メンバーの意見を読み上げながら、自身の感想を話すUstream配信も盛り込まれ、様々な人々が一つの作品を通して交流する様子が見受けられた。

読書行為自体を変化させるQlippyと、本好きの集うTwitter読書会。それぞれ方向性は違えども、本というメディアがあってこそのもの。テクノロジーが日夜進化するこの時代、インターネットと本の出会いは、世界をさらに広げていくのかもしれない。
(ピーチ四葉/東京ピストル)

※この記事は2011年08月に取材・掲載した記事です

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