本物と虚構の区別がつかなくなる!?

代替現実システムを体験してきた

2012.09.19 WED


体験者が装着したヘッドマウントディスプレイがコレ。なお、9月22~23日に開催される東京ゲームショーのソニーブースでは、SRシステムのデモが見られるそう
あなたが現実だと思っているものごとは、実は虚構かもしれない。まるでSFのようですが、そんな状況を作り出せる装置が登場し、国内外で話題を呼んでいます。それが理化学研究所の脳科学総合研究センター 適応知性研究チームが作り上げた「現実と虚構の区別をつかなくしてしまう装置」、代替現実システム(SRシステム)です。

…と言ってもどんな装置か見当もつきませんよね。そこでSRシステムを用いたパフォーマンスアート「MIRAGE」が期間限定で体験できる(現在は終了)という、お台場の日本科学未来館に行ってまいりました。

まず体験者はステージ内のソファに座り、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着。HMD内の液晶モニターには目の前の様子が映し出され、ヘッドホンからはその場の音声が聞こえてきます。つまり、体験者はHMDによって目と耳を覆われながらも、ステージ内をリアルタイムで見聞きできる状況となります。

そして、HMDを装着してくれた案内係を含めた2人が、体験者の周囲でダンスを開始。徐々にダンサーの姿が半透明になってゆき…やがて分身!? 何を言ってるのか意味がわからないかもしれませんが、当初2人だったはずのダンサーの姿が4人になっているではありませんか。

実はこのうち2人は、同じ場所から全方位カメラであらかじめ撮影された映像…なのだそうですが、目の前で踊っている「現実」のダンサーと、映像の「虚構」のダンサーは、ともに半透明に見えるため、どちらが現実かわからなくなってしまうのです。これこそが「現実と虚構の区別をつかなくする」SRシステムの特徴のひとつ。

最初は五感を研ぎ澄ませ、ステップの音や振動、風などを頼りに「こっちが本物だな」とマークしておいたダンサーも、複雑に交錯したり、透明度の濃淡が変化したりするうち、だんだんあやふやに。体験後に「足音も作り出していた」「実はうちわで風を発生させていた」などと伝えられると、どれが本物だったのか余計にわからなくなり、現実へのよりどころを喪失。ひょっとしたら「最初からダンサーはいなかった」かもしれず、まさに現実と虚構の境目が溶け出してしまいます…。

しかしこの技術、実用面では何に応用できるんでしょう? SRシステムを開発した脳科学者の藤井直敬氏にうかがいました。

「簡単に思いつくものでは映像コンテンツですね。自由に視点が動かせるので、ライブ映像にゲーム、映画、演劇などは臨場感が増し、物語世界へより深く没入できるようになるはずです。また、360度カメラで家族や恋人を撮影しておけば、たとえその方が亡くなっても生前の姿に会いに行くことだってできます」

写真や動画よりもよりリアリティの高い、思い出記録・プレイヤーになるのでしょうか。あとは、やっぱり…アダルトビデオ鑑賞・風俗系のサービスですかね!
(熊山准)

  • こんな感じで現実と虚構が入り乱れておりました。左下が現実のダンサー、右上がディスプレイで見えていた映像です。ちなみにMIRAGEの「足音」は本当で、「うちわで風」は嘘だとか。なにー!

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