国際標準化を求めて本格取り組みを開始

「縦書きブラウザー」標準化の狙い

2012.11.01 THU


日本人にとってなじみ深い縦書きの読み物。その文化を後世に伝えるためにも、ウェブ上での国際標準化は欠かせない
画像提供/ACCESS
インターネットのブラウザーに「縦書きレイアウト」を普及させる動きが活発化している。総務省と民間企業団体で構成する「次世代Webブラウザーのテキストレイアウトに関する検討会」は、昨年から縦書きレイアウトの普及に向けた本格的な取り組みを開始。今年中にも草案を作成し、Web標準化団体であるW3Cに対し、縦書きレイアウトの国際標準化を求めていくという。検討会参加企業のひとつであるACCESSに現在の進捗状況を伺った。

「ブラウザーで縦書きレイアウトを実装する技術はすでに確立され、ルビ(読み仮名)の表示など技術的な課題も解消されています。今は文字組みや禁則に関する縦書きならではのルールを統一し、W3Cに提出するための勧告案をまとめている段階ですね」(ソフトウェアソリューション本部・戸上貴夫さん)

すでに電子書籍の分野では、世界的に主要な電子書籍フォーマットのひとつであるEPUB3が縦書きレイアウトを採用するなど、ひと足先に国際標準化が進んでいる。現在、EPUB3はソニーの電子書籍端末「リーダー」や楽天の「コボタッチ」など、国内外の多くのハードがサポート。縦書きプラットフォームを使った電子書籍アプリも数多くリリースされ、ソフトも充実してきた。

「漫画や小説など、縦書きの本を電子化する際、縦書きのプラットフォームは欠かせません。Webでも縦書きブラウザーが一般化していけば、日本独自の優良なコンテンツをもっと広く、世界中に届けることができるようになります」(同)

現在、W3Cでは2014年をメドに新しい標準規格「HTML5」を策定中。総務省はその中に、縦書きを含む日本語独自の案件を盛り込むよう働きかけている。もし実現すればHTML5に基づく次世代ブラウザーで縦書きがサポートされる。ネット社会に縦読み文化が根付く日も遠くない?
(榎並紀行)


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