凄すぎる!話題の新テクノロジー

「見えないガラス」の用途とは?

2012.12.27 THU


左が普通のガラスで右が「見えないガラス」。普通のガラスには照明が映り込んで見えるが、見えないガラスには反射が見られない
画像提供/日本電気硝子
『見えないガラス』を開発─特殊ガラスメーカー、日本電気硝子が発表したニュースがちょっとした話題になっている。たしかに、ビニールやガラスは透明とはいえ、その存在を“見る”ことはできる。では“見えないガラス”とは? 早速、開発に携わった同社薄膜事業部の櫻井武氏に話を聞いた。

「ガラスは透明ですが、目には見えますよね。そもそも、透明というのは“光が透過する”ということ。普通のガラスの透過率は約92%。残りの約8%が反射して目に戻ってきているので“見える”のです。今回開発した『見えないガラス』は、特殊なフィルムをコーティングすることで、光が約0.2%しか反射しません。しかも、人間の目に見えやすいグリーン系の光の波長を特に反射させないようにしているので、存在を認識できないくらい“見えない”んです」

実際、何も伝えていないと、5cm以内に近づいても気がつかない人がほとんどだったとか。しかし、どうすれば、これだけ反射を抑えられるのだろう? 

「仕組みは、雑音に反対の波長の音をぶつけることで無音化するノイズキャンセリングヘッドフォンと同じ。光も波長なので、ガラスに入ってきた光を16層の特殊フィルムで反射させることで、お互いに打ち消しているんです」
たしかにすごいテクノロジーだが、いったい何に使うのだろう?

「実は、現段階での商品化を念頭に置いて開発したものではありません。ただ、ガラスの反射が気にならないので、美術館の絵画を展示する額縁や博物館などで資料を展示するケース、屋外の強い光でも見やすいスマートフォンなどに応用できると思います」

特殊フィルムのコーティングなので、基本的にはどんなガラスにも応用が可能とのこと。個人的には、東京タワーなどで見られる、高層部から下をのぞけるガラスに採用したら、空を歩いているみたいで楽しそうな気がします。
(笹林 司)

※この記事は2012年12月に取材・掲載した記事です


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