地球、あやうし!?

肉眼で見える彗星が地球に接近中!

2013.02.27 WED


パンスターズ彗星の位置の変化(惑星の位置は3月10日) 画像提供:国立天文台
先日ロシアで隕石が落下し、その騒ぎもさめやらぬなか今度は古代に不吉の前兆ともいわれた訪問者がやってくるのだとか…。なんでも肉眼で見られるかもしれない彗星が地球に接近しているそうです。肉眼で見られるって、そうとう近くに来ているようでちょっと恐いですよね。

「パンスターズ彗星という、直径数キロメートルほどの大きさの彗星が太陽や地球の近くへ来ています。もともと彗星は大部分が氷の塊でほかは塵。“汚れた雪だるま”とよくたとえられます。太陽に近づくと氷の成分が蒸発し、それが太陽から出ている粒子の流れ“太陽風”などに吹き飛ばされたものがいわゆる彗星の“尾”になります。そのため、太陽に近づくほど明るく、はっきりと尾が見えるようになるんですよ」と、国立天文台天文情報センターの山田陽志郎さん。

なるほど、単に地球に近づく分よく見えるというわけではないんですね。それでは、パンスターズ彗星はどれくらい明るく見えるのでしょうか?

「当初、最接近する3月10日には、おおいぬ座のシリウスにせまるマイナス1等級ほどの明るさになり肉眼で見えると予測されていました。ただ今年に入って最接近に近づいてもあまり明るくならないので、肉眼で見るのが都会では難しい3等級くらいの可能性もあります。通常、彗星の見え方は蒸発するガスや塵の出かたによって大きく変化します。ところが、彗星の構造がよくわかっていないので、最終的にどれくらいの明るさで観測できるのか予測するのはとても難しいんです」

山田さんによると、肉眼ではっきりと彗星を見ることができるのは平均10年に1度くらいのチャンスなのだとか。これは見逃せません。どうやって観察するのがよいのでしょうか?

「天体観測に使うような本格的な望遠鏡は必要ありませんが、野鳥観察に使うような倍率10倍以下と低倍率の双眼鏡があるとよいですね。3月中旬から5月上旬まで位置や時間を変えて観測できますが、3月中旬は比較的明るい頃と予想され見つけやすいでしょう。この時期は日没から30分ほどたった西の空に、地平線から10度くらい上の方向に見えます。地平線から10度上の目安は、親指が上に小指が下になるように拳を握って腕をいっぱいに伸ばし、小指を地平線に合わせたときの、親指の上くらいの位置です。見つけ方のコツとしては、普通の星とは違い、ぼんやりと弱く光り尾のある星を探すとわかりやすいですよ」

空の低い位置に現れるため、あらかじめ西の空の低いところまで良く見える、高い場所を見つけておくのがよいそう。

ところで、先日ロシアで落下した隕石はもともと彗星だったかもしれないと一部の専門家が指摘していましたが、今回の彗星が落下して地球にぶつかることはないんでしょうか?

「今回は衝突が考えらえる距離を通過しませんが、彗星の衝突自体の可能性がないわけではありません。もし小型の彗星が大気圏に突入したら、上空で爆発が起きて地上に大きな衝撃が起きるといった大きな影響が考えられます。例えば、1908年6月にシベリア上空で起きた大爆発は、原因の特定には至っていませんが、彗星が原因の一つとも考えられています。そんな地球に近づく彗星や小惑星を監視しているのが、米国ハワイ州にあるパンスターズ1望遠鏡。そこで見つかったのが今回のパンスターズ彗星というわけです」

ひとまず、この彗星が地球にぶつかることはないようで安心しました。ちなみにパンスターズ1望遠鏡で見つかった他の彗星もパンスターズ彗星と呼ばれているそうですよ。

みなさんも初春の夜空を見上げて、彗星を探してみてはいかがでしょうか?

(長倉克枝)

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