空港で保安審査の順番待ちを効率化するITテクノロジー

「待ち時間の短い列」見分ける方法

2014.12.14 SUN


elenathewise / PIXTA(ピクスタ)
空港に着いたら保安検査場(セキュリティー)に長い列が出来ていて、乗り遅れたらどうしようと焦った経験がある人なら、テキサス州のオースチン・バーグストロム国際空港の取り組みに興味を持っていただけるかもしれない。IT Worldによれば、この空港は2000年にアメリカで初めてWi-Fiネットワークを導入した空港だそうで、今でもWi-Fiのローミングを容易にする「Passpoint」(Wi-Fi Allianceが推進する、ユーザー名・パスワードをいちいち入力しなくても自動でWi-Fiに接続できる仕組み)の導入も進めている先駆的な国際空港である。

オースチン空港の新しい取り組みは、乗客の持つスマートフォンなどのWi-FiとBluetooth機能を利用して、空港のセキュリティーのそれぞれの列が、通過するまでどれくらい時間がかかるか予測して表示するというもの。乗客は何分待たされるか覚悟できるし、当然、待ち時間の短い列を選ぶので、セキュリティーの待ち時間が全体として平準化されることになる。

乗客がWi-Fiをオンにしたモバイル機器を持って空港内を移動している時、機器は近くにWi-Fi機器やアクセスポイントがないか確認するために定期的に電波を発している。セキュリティーゲート付近に設置したアクセスポイントでこの信号をキャッチし、機器固有のID(MACアドレス)から、各機器がいつエリア内に入り(列に並んだか)、いつ別のエリアに移動したか(セキュリティーを通過したか)を監視する。これによって、その機器がいつ待ち行列に加わって、いつ出て行ったかが分かる。

乗客はアクセスポイントにログインする必要はないし、持ち主が誰であるかも特定しない。同じことをBluetoothのビーコンでも行って情報を補完している。過去1年以上の履歴を分析して予測モデルを構築したところ、ホリデーシーズンのピーク時も含めて、予測精度は極めて高くなっているという。

実際のところはまだ試験導入中という位置づけで、オースチンを含めて3つの空港でトライアルが続いている。単に待ち時間を表示して乗客に列を平準化させるだけでなく、空港はこのデータをゲートの開閉や列の誘導に生かせるし、航空会社でも、もちろん何時に家を出るか決める乗客でも、この予測が活用できると期待されている。
(信國 謙司)

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