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1年で約40社参入!格安スマホ業者が増えた理由

2016.06.07 TUE


スマホの世帯当たりの普及率は2015年度で67.4%と初めてガラケー(64.3%)を上回った。格安スマホもこれから浸透する? 写真:天空のジュピター / PIXTA(ピクスタ)
ここ数年で、続々と増えているSIMカードを利用した格安スマホ。今年3月の総務省の発表によると、SIMカードや格安スマホを扱うMVNO(仮想移動体通信事業者)の総数は2014年12月末で172社だったが、2015年12月末までの1年間で210社に増加している。基本料金が安い上に、選択肢が増えたことはユーザーにとってうれしい限りだが、なぜこんなにもSIMカード・格安スマホを扱う業者が急増しているのだろうか。

そもそも価格を抑えられる理由は、MVNOの運営の仕組みにある。ドコモ、au、Softbankという3大キャリアはそれぞれ通信回線を保有しているが、MVNOはこれらのキャリアから回線を借りて通信を行う。つまり、回線を確保するための初期費用や設備投資をカットできるため、料金を抑えられるのだ。

となると、価格メリットを要因に、SIMカードを扱う業者が増えたということだろうか?

「SIMカードを扱う業者が増えたきっかけは、数年前から総務省が“通信の自由化”を推し進め、参入を促すような予算を出したことにあります。また、SIMカードを入れ替えればどの会社の回線でも使用できるSIMフリースマホが普及したことも、理由の1つ。それらのタイミングが合致したことで、業者が一気に増えたと考えられます」

そう教えてくれたのは、ITジャーナリストの三上洋さん。業者の増加は政府の方針も背景にあるようだ。そして、もう1つ気になるのが利用料金の差。3大キャリアの料金がほぼ横並びなのに比べて、SIMカード・格安スマホは業者によってかなり料金が異なるが…。

「MVNOは、回線を何人のユーザーで使うか、その料金をいくらに設定するかを自由に決められるんです。たとえば、1GBの回線に100人を割り当てるA社と、100万人割り当てるB社があったとします。極端な例ではありますが、結果としてA社は通信速度が速いけど、料金は高め。B社は速度が遅いけど安めという差が生まれるんです。現在はMVNOも増え、価格競争も激化しています」

MVNOが出てきた当初は「月額1000円前後で1GB」が目安となっていたが、競争が進み、最近は「月額1000円前後で3GB」が一般的だという。また、一部のヘビーユーザーを狙った20GB、30GBといったデータ量の大きいプランも増えている。

いまやその数は200社以上も存在するMVNOだが、なかでもとりわけ注目を集めているのが、イオンが提供する「イオンモバイル」だ。

「通信プランや料金設定を細かく選べるところも支持されていますが、最大の魅力は実店舗を構えているところ」と、三上さんは言う。MVNOは実店舗がないぶん、料金を抑えられるが、サポート面で弱い部分がある。その点、イオンモバイルは各地のイオンにサポートコーナーを設けているため、スマホやSIMに詳しくない人でも安心して使える部分を強みにしているわけだ。

ちなみに、今後は「LINE MOBILE」なども参入が予定されている。“LINEやFacebookにかかる通信量は無料”という触れ込みだが、格安スマホ業界に新たな波が訪れるのだろうか?

「『LINE MOBILE』のように、特定のサービスが無料で使えるMVNOは増えると思います。また、格安スマホの通話は従量制(利用時間に応じて課金される料金体系)が常でしたが、『楽天モバイル』は短い通話であればかけ放題になるプランも出しはじめました。今後、サービス面もさらに強化されるでしょう。各社はユーザーを囲い込むため、様々な特典をつけて競争を始めています。LINEや楽天といったネットサービス企業は特典をつけやすいので、ユーザーにとって魅力的なサービスを打ち出してくるはずです」

なお、「210社とMVNOはかなり増えてきていますが、これからは吸収合併などが起こり淘汰されていくと思います」とも。認知が進みサービス競争が激化している「格安スマホ」。料金を抑えたい人や2台目を考えている人にとって、有力な候補になりえるだろう。
(有竹亮介/verb)

■識者プロフィール
・三上洋
http://www.sv15.com/


記事提供/『R25スマホ情報局』

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