未来のお買い物体験に挑戦!?

eBay、アリババ、伊勢丹…2017年VRショッピング元年に?

2016.09.29 THU

仕事からムフフまで VRで変わる僕の日常


VR映像内の商品の詳細画面。各アイコンに視点を合わせると、拡大・縮小、回転、カートへ入れる、などの操作ができる
ゲームなどのエンタメ領域での活躍が目覚しいVRだが、ビジネスやその他の分野での活用も広がり、消費や現場にも変化をもたらし始めている。“ショッピング”の領域においては、今年5月に高級車ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」の最新モデルでバーチャルドライブ体験ができるアプリが登場。7月には「伊勢丹新宿本店メンズ館」が、来店者にVRを利用したファッション体験を提供するイベントを実施するなど、実用段階に入っているケースもある。

こうしたVR活用はEC業界にも普及しつつあり、近い将来、「VRでの買い物は当たり前」という時代が訪れそうだ。そこでEC業界におけるVRの導入例・開発例をまずは紹介しよう。

■世界初の“VR百貨店”「eBay VR Department Store」


今年5月、大手ECサービスを運営するイーベイが、オーストラリアでショッピング施設を展開するマイヤー社と提携して立ち上げた、世界初のVR百貨店。ユーザーは、専用のVRヘッドセットを通し、マイヤー社ストア内で、1万2500点以上の商品を3Dで閲覧・購入できる。

■中国アリババが開発中“VRで触れるショッピングサービス”「BUY+」


中国のモバイル決済の70%を占めるサービス「Alipay」を運営するアリババが、今後提供するというサービス。4月に公開されたコンセプト動画では、モバイルVRヘッドセットを装着したユーザーが、360度全方位に広がるショッピング空間で、商品に触れている様子が映し出された。

■会話機能付きサービス「VR Shopping with Voice Chat」


キュレーション型ECサイト「kabukiペディア」を運営する日本企業「KABUKI」によるサービス。専用アプリをダウンロードしたスマホとVRヘッドセットを利用し、仮想空間でファッションショーや展示会などの疑似鑑賞を体験できる。Facebookなどでつながっている友人同士がアプリにアクセスすることで、会話が楽しめる機能も搭載。もちろん、気に入った商品は購入可能だ。

筆者は実際に「VR Shopping with Voice Chat」を体験してみたが、ヘッドセットをつけて目の前に広がる映像は、ファッションショーを間近で見ているかのような臨場感! ファッショナブルなアイテムに身を包んだマネキンが次々とランウェイに登場し、実にわくわくする体験ができる。また、視線を変えて目の焦点を合わせることで、詳細画面に移り、洋服を回転させたり、拡大表示させたりして商品の細部を確認することもできた。
VR映像内の様子。ファッションショーが始まり、マネキンが次々とランウェイに登場(写真=左)。ファッションショーの映像の際に視点を「Select」に合わせることで、商品詳細の画面が表示される(写真=右)。商品の購入も可能だ
初めての“VRショッピング”体験に衝撃を受けたが、そもそも、VRを使ったショッピングには、どんな狙いがあるのか? 前述の「KABUKIペディア」を運営する、KABUKIの代表取締役CEO・大城浩司さんに話を聞いた。

「ユーザーは“物が欲しい”から商品を買うのではなく、楽しい体験を通して“やりたいことを実現するため”に商品を購入するんです。そうしたショッピングの本来あるべき姿を具現化できるのが、VR技術。単に、“あたらしい技術を使って欲しい”と言わせたいわけではなく、ファッションショーなどの疑似体験を通し、お客様に新たな商品の買い方をご提案していきたいのです。また、商品にまつわるストーリーや、その商品がある生活を想像してもらう手段としても、VRは有効。今後は、コーディネートを楽しんだり、自分のアバターを街に歩かせたり…などのアイデアも実現させたいですね」(大城さん、以下同)

大城さんによると、2016年がVR元年とすれば、2017年は“VRショッピング元年”になるという。さらに、VRショッピングがエンドユーザーに普及するのは、3年後とも。

「エンドユーザーに普及させるためには、スマホでVRを手軽に利用できることが必要。そのために、スマホの通信料、CPU技術、バッテリーの持ち時間が課題になりますが、3年後には一定レベルをクリアするはずです。しかし、いくら環境や技術が整ったとしても、コンテンツが充実していないと意味がありません。我々が提供するコンテンツは、現段階ではファッションだけですが、近いうちに“アウトドア”“インテリア”も提供予定で、今後はVRの料理番組などハウツーコンテンツも検討中。今後もアイデアを駆使し、コンテンツを拡充させます」

大城さんの言葉を借りると、VRの魅力は「時間と距離を短縮し、空間を味わってもらうことにより、多くのメッセージを一度に伝えられること」。近い将来、VRショッピングが当たり前の時代が来る。そのとき、私たちの生活は、いまと比べてどう変化するのだろうか? 豊かになることを期待しながら、そのときを待ちたい。

(村部春奈/H14)


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