便利さとひきかえに僕らは監視されてる?

情報化が進んだ社会って何か気持ち悪くないですか?

2007.01.18 THU



写真提供/AFLO
西暦2045年。日本、南関東州。人々は、個人の生活のあらゆる履歴情報をデジタルデータとして記録保存され、様々なサービスがその記録を参照し、個々の嗜好にあわせて提供される世界を生きていた。

さて、これはもちろんSFである。批評家・東浩紀氏と小説家・桜坂洋氏が、講談社のポータルサイト『MouRa』にて今月下旬から連載する『ギートステイト』という小説の世界観だが、現代を振り返ると、意外に似たような環境に我々が置かれていることに気づく。携帯電話は常に位置情報を基地局に送信しているし、ICカード定期券で移動すればルートをたどれる。電子マネーで取引すれば購買記録が残るし、amazonを覗けば推薦本がズラリと表示される。よく考えると生活を覗かれてるようで気持ち悪い。それでなくとも、昨今、監視カメラをよく見かける。悪事を働いているわけではないので、とくに不都合はないのだが。前述の東浩紀氏はこう語る。

「この数年で個人情報に対する消費者の感性はかなり変化しました。氏名や住所を特定されることには非常に怯えているけど、企業に情報を提供するかわりに便利なサービスを受けることは気にもしていない。監視カメラも治安維持のためなら受け入れるという風潮です。正直、人々が個人情報を本当に大切にしているのかよくわからない(笑)。その情報の束を誰が管理するか。もし、取得した企業や団体がそれぞれ管理するのは危険だと考えるなら、政府や行政に任せればいいかといえば、それもややこしい問題がある。ならば、皆が皆を監視してリスクを回避すればいい、という方向に私たちの社会は向かっていると思います」

あらゆるところにコンピュータとネットが存在し、適切な対応を取るユビキタス社会やWeb2.0というものは、逆にいえば行動を監視され記録されることを意味する。今、私たちは便利さとセキュリティの追求に大きく傾いているが、この問題の議論はまだ始まったばかりだ。


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