ネットの常識・非常識

第1回 ネットのクチコミって信じていいの?

2008.11.19 WED

ネットの常識・非常識


巨大掲示板である2ちゃんねるはもちろん、Amazonや価格.com、楽天市場などの通販サイトはユーザーレビューも掲載するため、たくさんの意見が集約されたクチコミサイトとしての側面も持っている

ネットのクチコミはいつから注目されるようになったの?



今やネットはクチコミだらけ。

例えば今話題の低価格ノートパソコンでも、出たばかりの最新ケータイでも何でもいいです。
「何を買おうか」「どれを買おうか」とネットで調べたら、公式ホームページより、製品レビューサイトや個人のレビューブログが先にヒットした、なんてことがありますよね。

いったい、いつからクチコミはネット上にあふれ、検索結果の上位にランクインするほど重要視されるようになったのか? ネットにおけるクチコミマーケティングに詳しい、(株)カレンの四家正紀さんにうかがいました。

「昔から、個人ホームページや掲示板でクチコミは発信されていましたし、クチコミが重要な情報であることに変わりはないのですが、今ほどクチコミがあふれるようになったのは定額制ブロードバンドとアフィリエイト&ブログの2つが、大きな契機だと思います」

と言いますと?

「2001年登場のYahoo! BBで、定額でネットが使い放題になると、それまで『ネットはつないだ時間だけお金がかかる』と二の足を踏んでいた主婦層が大量にネットを始めました。主婦は財布のヒモを握っているうえ、生活の知恵もたくさん持っていた。つまりインフラの影響で、クチコミの量と質が向上したのがこの時期です」

確かにブロードバンド普及以前は、ネットユーザーって主に男性で、比較的マニアックという印象でした。

「加えて2004年ごろから広まったブログで、個人が情報を発信しやすくなりました。また、ブログブームにのってアフィリエイト利用者も急速に拡大しました。ブームの背景には、ブログ上でアフィリエイトによってお小遣い稼ぎするだけでなく、むしろレビューを書くことによって同じテーマに興味関心がある人とコミュニケーションしたいというニーズがあったからでは」

今度はネット上のサービスがクチコミが育つ土壌を育てたと。でも、それがむしろ真贋入り混じったクチコミの氾濫(はんらん)を招いたような気も。
ズバリ、ネットのクチコミのウソ・ホントを見分ける方法ってあるんでしょうか?

「クチコミに限らず、情報ってね、信用しちゃダメなんです(笑)。だから質的にも量的にもたくさん情報を集めて、それをいかに処理するかが肝心なんですよ」

なるほど、小中学校の情報教育じゃないですが、ネットを利用する時は「まず疑ってかかる」と。クチコミは、あくまで答えを導き出すための判断材料のひとつでしかなく、決して答えそのものではない。そう思えばいちいちクチコミに振り回されることもなくなるかも?
ネットの格言として多用される2ちゃんねるの管理人・ひろゆき氏による言葉「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」。もはやこの姿勢は、現状のネット利用時に最低限必要なもの!?

クチコミを見極める秘訣!?「半年ROM(ろむ)れ」って何だ?



今やネットはクチコミだらけ。でも、信頼に値するクチコミってどうやって見極めればいいの?

ネットのクチコミマーケティングに詳しい(株)カレンの四家正紀さんによると「クチコミを含めて、情報はそのまま信用しないこと。質的にも量的にもたくさん集めて、それをいかに処理するかが肝心」とのこと。

「いや、逆に信用していいと思いますよ」

そう話すのはINTERNET Watchの連載「やじうまWatch」で、8年以上もネット上の噂や未確認情報をいち早く紹介している、ネットウォッチャーのめたるまんこと山崎一幸さん。

ど、どういうことですか?

「例えば2ちゃんねるなら基本的に悪口や釣り(嘘)が多いという、サイトの特性を知りつつ読めばそんなには騙されない。また、その掲示板やブログで語られているレベルはマニア向けなのか、一般向けなのか。加えて話題の流れを読めば、おのずと信用できるクチコミも見分けられると思います」

サイトの「空気読め」ってことですね。具体的にはどうすれば?

「Amazonや価格.comなどレビュアーにIDが振られている場合は、そのIDの過去の発言一覧を見返すと、きちんとした判断で意見を言う人か、あるいは偏ったファンかアンチかがわかる。ブログでも、プロ視点で書かれたものも大事ですが、自分と境遇が似たユーザーによるものの方が情報としては使える。2ちゃんねるでは、掲示板の空気を読めない書き込みに対し、よく『半年ROM(ろむ)れ』と非難が入るんですが、まさにクチコミを判断する場合にも当てはまります」

ちなみにROMとはRead Only Memberの略で、書き込みをせず読むだけの人のこと。つまり、「半年ROMれ」とは「空気が読めるようになるまで半年眺めてろ」ってな意味だそう。
でも半年も待てない場合は?

「時には騙されるのもアリなんじゃないですか(笑)」

えーっ、損しちゃうじゃないですかっ。

「例えば買い物なら、情報を集めて、吟味して、買ってみて、箱を開けた時にその判断が正しかったかどうか、そこまで含めたエンタテインメントじゃないですか。だから時には、クチコミが少ないモノや新製品を買って、失敗談を含めたネタを発信するのも楽しいものですよ」

なるほど、「絶対に損しないゾ」と身構えるより、失敗もひとつの経験として楽しむのもありだと。

四家さんも山崎さんも、一見正反対の意見に見えながら、実は「情報を吟味すること」という点では同じよう。「ネットで検索したらすぐ真実の情報にたどり着く」という感覚は、いったん忘れた方が良さそうですね。 というわけで、クチコミのハウツー判断を
専門家のお二人にうかがいましたが
みなさんは普段、信じられるクチコミかどうか
どうやって判断していますか?

マル秘テクニックや自分なりの騙されないルールがあれば、
ぜひ編集部までこそっとお知らせください。

また、掲示板やブログなどで、偽情報や偏った情報をつかんで損しちゃった、
そんな方の体験談などもお待ちしてます。

しかし、クチコミの見極め方も大切ですが、
情報の受け手側から発信者側になってみては?
という山崎さんの提案も、興味深かったですね。

でも、ネットで不用意に発言すると袋だたきに遭いそうな。
よし、次回のテーマは「ネットの書き込みのルール」を探ってみましょうか?

株式会社カレン

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