隣の理系がワカラナイ

第7回 理系女子ってちょっとユニーク?

2009.03.06 FRI

隣の理系がワカラナイ

私は中高一貫で理系コース、大学も理系学部と根っからの理系女子です。というわけで当然私の周りの友人も理系女子が多いのですが、そんな私が抱く理系女子の印象といえば「男勝りで負けず嫌い」です。たとえ力であっても男には負けたくない!と張り合う人もいるくらいです。かくいう私もそういう人種の一人だと自分では思っているんですが。やっぱり理系という男ばかりの環境で過ごすと男っぽく感化されてしまうのでしょうか?

投稿者:「ふみみ」さん(京都府/23歳/女性)

ふみみさんのコメントを見る限り、理系女子本人も
「他の女子とはちょっと違うところがあるかな?」と
思っているフシがあるようですね。

そこのところ、他の皆さんはどうなんでしょうか。

理系女子の皆さんの意見も参考にしつつ、
理系女子の実態を探っていってみようと思います。
(株)アネスタ発行の『ハッピーテクノロジー』。「理工系は向いていない」と思いこんでいる女子高生たちに「実は、そんなことないんだよ」と気づいてほしくて創刊。キャッチコピーは「女の子のための理工系進学情報誌」。

理工系に進学する女子ってやっぱりちょっと変わってる?



以前からリクエストの多かった「理系女子」について取り上げますよーと告知したところ、理系女子の皆さんからたくさんのメッセージをもらいました。その一部を紹介すると。

「女子数が1割以下というキャンパスライフでは、『トイレが少ない』『女子というだけで目立つ』などの悩みもあります。でも、常に勉強もおしゃれも気を抜きません!周りの理系女子を見ていると、論理的に考え、きちんと人生設計を立て、自分磨きを怠らない人が多いと思います。コンピュータや数字に強い人が多く、専門的な会話についていけるのが強みかも」(あやっちさん/24歳)

「同じ学科に恋人がいる理系女の私としては、もう文系男子とはお付き合いできない、というのが正直なところです。なにかきっかけがあって自分の専門の方へ話題がいってしまうと、文系男子がドン引きするまで語ってしまいますし、日常生活の中にところどころ入ってくる理系ネタを分かち合えないと思うと残念です」(リチャさん/19歳)

リチャさんが書いているように「専門的な話ができる」というのは理系女子の特徴かも(そういえば、文学部卒の女性が飲み会の席で熱く文学論をぶちまけている様子など見たことがありません。あくまでも私の周りではということですが)。あまりにも話の内容が専門的すぎて相手がドン引きというのは、理系男子からもよく聞く話です。

また、この2人は現役大学生&大学院生ですが、どちらも「キャンパスに女子が少ない」ということで苦労しているみたいですね。そういう状況は大学にとっても悩みの種であるようで、内閣府や文部科学省も女性研究者・技術者育成のキャンペーンを行ったり、理工系進学を目指す女子のための情報誌なんかも発行されています。

情報誌というのは、08年3月創刊の『ハッピーテクノロジー』(発行部数は12万部で、現在第2号発行)。記事中には「大学時代に溶接や旋盤技術を学んだので、バーベキューをするときは鉄板から自作します(ニッコリ)」なんていうOGへのインタビューもあったりして、なかなか読み応えがあります。

この雑誌は理工系女子を増やしたいという大学の要望を受けて創刊したそうですが、大学はどうして女子学生を増やしたいんでしょうか。発行元であるアネスタの鳥田守さんにお話を聞いてきました。

「取材などで理工系の女子学生やOGと話をすると、すごくマジメでよく勉強しているなという印象を受けます。それでいて女性らしいこまやかな気遣いもできる。実は、彼女たちのそういったスキルを求めているのは企業なんです。しかし、そもそも理工系に進学する女子学生が増えないことには、社会で活躍する女性も増えません。まずは理工系の女子学生を増やす。そうすれば、女性エンジニアも増えるはずです」

女性の社会進出が活発になったとはいえ、技術系の職場は男性が中心。そこに女性技術者・研究者が入ってくれば女性目線での商品開発が可能になりますし、女性の中に埋もれている才能も発掘したい。大学の中には「女子が増えるとキャンパスが活気づく」というホンネもあるとか(それも大事なことだと思います!)。

いわゆる「女子」という分類で考えると、確かにちょっとユニークなところもある理系女子。でも、専門スキルがあって、マジメで、誠実で、しかも女性らしい気遣いもできるなら、企業が欲しがるのも当たり前ですね。
北川麻美子さん 大学院農学部で修士号取得後、カゴメに入社。その後、農林水産省の研究所(現・独立行政法人)に国内留学した際に博士号も取得。現在は、遺伝子組み換え原材料を使用していないかどうか、アレルギー表示が正しいかどうかなど、表示の妥当性を検証するとともに、管理体制を構築するための研究を行っています。

食品メーカーの女性研究者に聞く「私って理系だな」と思うのはどんなとき?



「理系女子」と聞いてイメージするのは、どんな人ですか? 外見的には「白衣」と「メガネ」がマストで、性格は「マジメ」「お堅い」あたりが一般的なイメージでしょうか? でも、これってただの想像でしかありませんよね。

そこで、ホンモノの理系女子のお話が聞きたくて、栃木県那須塩原市にあるカゴメの総合研究所に行ってきました。お話を伺ったのは分析センターの北川麻美子さんと商品開発研究部乳酸菌開発グループの常田真希さん。白衣姿は「THE理系」といった感じですが(メガネはかけていませんでした)、話してみると、とてもやさしくて柔らかい印象です。

二人とも理系専攻の中でも比較的女性比率の高い農学部出身だそうですが、「私って理系だなぁ」と思うことはありますか?

「我が家では私と父が理系なのですが、文系の母と姉に言わせると、私は子どもの頃から理屈っぽかったらしいです。『なんで? どうして?』とばかり聞いてきて、うっとうしかったと(笑)。どんなことでも仕組みや理屈が分かっていないと気持ち悪いと思ってしまうのは、理系だからかもしれません」(北川さん)

「大学では理系でしたが、自分では考え方は文系寄りだと思います。ただ、ケンカをしたときは状況証拠をきっちり揃えて理詰めで問いつめるので、その辺は理系っぽいかな?」(常田さん)
常田真希さん 大学院農学部で修士号取得後カゴメ入社。「植物性乳酸菌・ラブレ」などの乳酸菌関連商品の開発を担当。どんな条件でも「おいしい」と感じる味にするのが第一ですが、おいしければいいのではなく、その科学的根拠まで追求する仕事。一方で消費者としての感覚も大切なのだそうです。
日常生活の中で、うっかり理系語が出ちゃうこともあったりして? と聞いたところ、北川さんからは「研究所の人とハンバーグを食べているとき、ハンバーグのソースを残さずきれいに食べられると『今日はソースの回収率が高かった』とか洒落で言うことがありますよ」との答え。

常田さんは「私はあんまり使いませんね」と言っていましたが、私は聞き逃しませんでしたよ! 「カゴメといえばトマトだと思っていましたが、乳酸菌も扱っているんですね」と私が言ったことに対して、

「『自然を、おいしく、楽しく』がカゴメの企業理念ですから、トマトでなくても親和性はあるんですよ」と言っていたことを!

親和性という言葉がさらりと出てきましたが、『大辞泉』で調べてみると「ある物質が他の物質と容易に結合する性質や傾向。染色色素が特定の生体組織に結合しやすい傾向や、細菌・ウイルスが特定の細胞や臓器で増殖しやすい傾向など」とあります。これは文系の人でも「親しみがある」というような意味で使うこともありますが、理系的な印象が濃い言葉です。

たぶん、北川さんも常田さんも、気づかないだけで普段から科学的表現を使っているのでしょう。日常会話の中に科学のエッセンスが含まれているなんて、カッコイイじゃないですか。

とはいえ、ご本人はいたって控えめ。ある男性が「合コンに来る理系女子を見ていると、控えめな人が多い」と言っていましたが、それって本当なんだ。

その辺を北川さんに聞くと、「研究内容を話すときは、相手がどれくらい興味を示しているかを気にしながら話します。そうでないと、専門的すぎて引かれてしまうので。そのせいか、知らない人と話すときは、控えめになりがちですね」とのお返事。

常田さんは、「私たちは職場が那須ですし、オフィス街に勤務する女性社員の人たちとは生活リズムが違いますよね。たまに都心に行くと、他の女性がきれいに見えます」なんて言っていましたが、それはいくらなんでも控えめすぎ! 

よくよく聞けば、二人ともすごく女性らしい人なんですよ。食品メーカー勤務ということもありますが、常田さんは外食時に気になったお料理があるとお店の人にレシピを聞いて、自分でも作ってみるというお料理上手。北川さんも「オマケがあるという理由でお菓子を買ったりする。そんなの合理的じゃなくて、理系らしくないですよね」と笑っていましたが、それこそ女子! お仕事においても女性・消費者としての目線が求められるんですから、研究者であると同時に女子なのです。

それでいて、自分の専門技術を生かした仕事で日々やりがいを感じているなんて、うらやましい限りです。社会人としても、女性としても、見習うところの多い1日でした! ついに実現した「理系女子」の回、
何人かの理系女子にご登場いただきましたが、
彼女たちの魅力の一端が分かってもらえたでしょうか?

一通り取材が終わって、
文系女子と理系女子、一番の違いは何かを考えてみました。
私なりの結論は「会話のスムーズさ」です。

私だって文系ですから、文系女子が話しにくいわけではないのですが、
どんな質問をしても、回り道せずに、的確に回答してくれる。
しかも、そのスピードがすごく速いのが理系女子。
女性にありがちな「会話の飛躍」や「無駄話」みたいなものが
まったくないんですよねぇ。

女性の甘さが好きな男性には物足りないかもしれませんが、
私は好きですね、理系女子。お友だちになりたい!
理系女子の方々も、私のような文系女子を面白がってくれるといいなぁ。

そんな今回でしたが、次回以降では「理系の人と会話していて困ること」
「何を言っているのかワカラナイ」を大募集!
さらに、理系の人からも「文系のこんなところがワカラナイ」といったご意見をお待ちしております!

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