半径3メートルの身近なデジタル

第11回 電波が進化するとどうなる?

2009.10.28 WED

半径3メートルの身近なデジタル


ルイーダの酒場の場所はヨドバシAkibaの1階第2エントランス付近。ドラクエIX発売当初、平日の夜や週末には100人を超越える人が集まったとか

ネット接続だけじゃない! いろんな機器が無線LANでつながっている



ルイーダの酒場が熱い! 最近ではだいぶん落ち着いてきたが、8月ごろは100人以上の人だかりができることも珍しくなかった。

え? 流行りの立ち飲み居酒屋かって? NO~。ルイーダの酒場とはニンテンドーDSで『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』に搭載されているすれちがい通信のために、とある家電量販店が店頭に設置したスペースのこと。すれちがい通信を行うことで、ゲームのデータを他のプレーヤーと交換でき、ゲームをより楽しめるのだ。

この通信はニンテンドーDSに内蔵されているWi-Fi 機能を使って行われる。そういえばこのWi-Fi、ニンテンドーDS以外にもWiiやソニーPlayStation3などにも搭載され、インターネットへの接続に使われている。しかし、Wi-Fitと無線LANって、いったいなにが違うのかがよくわからない。ITに詳しいライターの石井英男さんに聞いてみた。

「Wi-Fiとはブランド名のようなものです。Wi-Fi Allianceという業界団体によって相互接続性が認証された無線LAN機器がWi-Fi対応をうたうことができます。簡単に言えば、Wi-Fiのロゴがある商品ならば、異なるメーカーや製品でもつながります、という意味です」

なるほど、Wi-Fiと無線LANは、ざっくり言って同じものと思ってもいいんだ。これまで、Wi-Fiはすれちがい通信などゲーム機での通信するもの、無線LANはインターネットに接続するものだと思っていました。お恥ずかしい。

「無線LANが直接インターネット回線につながっているわけではありません。直接つながっているのはADSLサービスならモデム、光ファーバーサービスなら ONUです。無線LANが普及していなかったころは、モデムとパソコンをケーブルでつないでインターネットに接続していました。無線LANは、そのケーブルが無線に替わっただけの話です。電話機の親機がモデムで子機が無線LANを搭載した機器と考えるとわかりやすいと思います」

ちなみに、無線LANの接続は、オフィスや家でモデムと機器パソコンなどつなげるインフラストラクチャーモードと、パソコン同士やゲーム機同士をお互いにつなげるアドホックモードの2種類がある。すれちがい通信などは、すれちがい通信などは、ゲーム機同士をアドホックモードでつないでいるというわけだ。

「最近ではゲーム機だけでなく、無線LANを搭載したデジカメやSDカードもあり、撮影した写真を写真共有サイトにアップしたり、パソコンに転送することができます。また、無線LAN対応のプリンターなども増えてきており、周辺機器のコードレス化が進んでいます。他にも、スピーカーやフォトフレームなどもあり、PC内の写真や動画、音楽などを再生できたりします」

無線LANとはパソコンだけのものかと思っていたが、ゲームやデジカメなど様々な分野で使われている。私もこれを機に、いろんなもののコードレス化を進めてみようかな。
総務省が公開している電波の使用状況一覧。携帯電話、無線LANからラジオ、テレビ、無線、船舶通信、気象衛星、宇宙研究など36の使用目的で分けられている

bagnって何? 無線LANの種類を調べてみた



先月のことだが、無線LAN規格「IEEE802.11n」が正式承認されたとのニュースを目にした。えーと、私、かなり前から無線LANを使用していたのですが、正式なものじゃなかったんですかね? ITに詳しいライターの石井英男さんに聞いてみた。

「無線LANには、よく使われてる4つの規格があるんです。IEEE802.11nは最新の規格で、従来よりも通信が安定し、高速化しています。古い順に挙げるとIEEE802.11b IEEE802.11a IEEE802.11g IEEE802.11nです。bは無線電波に 2.4GHz帯を使用しており、伝送速度は最大11Mbps。aは無線電波に5GHz帯を使用しており、伝送速度は最大54Mbps。gは無線電波にbと同じ2.4GHz帯を使用しており、伝送速度は最大54Mbps。nはaとgの発展系でそれぞれ同じ2.4GHz帯と5GHz帯を使用していますが、複数のアンテナで送受信することで伝送速度を最大300Mbpsまで向上したものです。それぞれに使っている無線電波の周波数によって電波干渉の大小や転送速度、消費電力などで利点や欠点があります」

伝送速度とは、一定時間内に転送できるデータ量。もちろん多ければ多い方が有利。IEEE802.11nは従来の6倍近いスピードがあるのだ。ただし「あくまでも理論値なので、実際はその4割くらいの速度が出ればよい方です」と石井さん。

もう一つ重要なのが周波数。電波とは正確には電磁波の一種で、周波数が3TMHz(テラヘルツ)より小さいものが電波、それより上が光(赤外線など)になる。電波は電波法によりそれぞれの機器で使っていい電波帯が割り当てられており、周波数が高いほど伝送速度は速くなるが、到達距離は短くなる。逆に、周波数が低ければ、伝送速度は遅いが、遠くまで届くと性質があるのだ。無線LANの場合は2.4GHzと5GHzで、これはBluetoothや電子レンジと同じ。現在、日本の携帯電話で主流となっている3G方式は、800MHz/1.7GHz/2GHzなので、無線LANよりも伝送速度は遅いが、遠くまで届きやすいということになる。

「到達距離は短いけれど、より速い伝送速度をもつものに、WirelessHDがあります。これは60GHz 帯を使用しており、ハイビジョン対応の映像機器間で動画データをやりとりしたりしています。チューナーとモニターが離れていてレイアウトしやすい超薄型テレビなどは、この技術を使っています。他にも、最近話題のモバイルWiMAXは2.5GHz帯を使用しています」

Bluetoothを使えば、キーボードやマウス、ゲームのリモコン、携帯電話や帯音楽プレーヤーもコードレスにできるが、なんとテレビとレコーダーもコードレスでつなげるとは。電源コード以外はすべてコードレスになってしまいそうな勢いだ。と思ったら「ソニーはワイヤレス給電システムも開発していますよ」と石井さん。

孫ができるころには電源もワイヤレスになり、コード付きの家電を見て「このヒモは何に使うの?」なんて聞かれる時代がくるかもしれません。 早速、家の無線LANをIEEE 802.11n対応へ変更。プリンターも無線LANでつないでみました。家には複数のパソコンがあるのですが、どのパソコンからもプリントアウトができるようになって便利。

ついでに、マウスとキーボードはBluetoothに。これだけでも、デスクからかなりのコードが消えて、すごく広く使えるようになりました。キーボードをさっとしまえるのも良い感じです。

ただ、調子にのって携帯電話もBluetoothヘッドセットに接続して会話をしていたのですが、これが大失敗。屋外で使っていたら、ただ独り言を言っているおっさんに見えてしまうのだとか。

室内でだけ使用することにしたのはいうまでもありません。

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