ここ10年はほぼ横ばいですが…

初任給の“価値”は30年で2倍以上にUPしていた!?

2010.03.01 MON



図版製作:柴田幸男
入社して最初に受け取る給料「初任給」。その使い途に今から心躍らせている新人も多いことでしょう。ちなみに、ここ10年間の初任給は大卒だとだいたい20万円が相場(右図参照)。でも、なぜ20万円なんだろう。初任給の金額はどうやって決められるの?

「初任給は世間相場に照らして規定されるのが一般的です。業種・規模・売り上げが同程度の会社の水準に見合うように給与額を決める経営者が多いですね。その水準を平均すると今は20万円ほどというわけです」

お答えいただいたのは賃金コンサルタント会社「賃金管理研究所」の大槻幸雄氏。給料は会社が自由に決めていいんですよね。わざわざ世間に合わせるのはなぜ?

「世間相場に比べ極端に安いと人材は集まりませんからね。社員全体の給与額自体は目減りしている傾向にありますが、初任給を引き下げる会社はほとんどありません」(同)

確かに経団連の調査でも、リーマンショック後の2009年でさえ約9割の企業が前年度の初任給額を据え置いているようです。

「ここ10年は日本経済全体の成長率が低かったため、初任給額はほぼ横ばいでした。一方、経済成長が著しかった1980年から90年にかけては毎年6%ほど給与額が上昇していました。それにともない初任給額も15年間で約10万円も底上げされています」(同)

とはいえ、同時に物価も上がっているから、初任給の価値って結局トントンなのでは?

「確かに30年前と比べ、現在の物価は全体で30%上昇しています。しかし、初任給額は74%近くも上昇しているんです。総合的に見ると初任給の価値は上がったといえます。ちなみに、デフレ下でも給与水準が変わらなければ相対的に給与の価値は上がります。ただし、今のデフレは消費者物価指数の下落率が前年比1%台。これでは給料の価値が上がったとまではいえません」(同)

つまり、今賃下げされると非常にキツイ!早く景気が回復して、初任給もその後の昇給も再び上昇カーブを描いてほしいものです。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)


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