これからは栄養価の高いコメが主流!?

抗メタボ米、鉄分3倍米も… コメの進化がスゴイことに!

2010.03.04 THU



写真提供/農研機構作物研究所
先ごろ東大の研究者が鉄分含有量を3倍に高めたイネを開発したと話題になった。また、富山県の農業試験場では、黒米とコシヒカリを交配した「富山黒75号」を開発。生活習慣病を予防する色素が含まれる黒米の栄養価とコシヒカリの味を兼ね備えた“おいしい『抗メタボ』米”としてPRするという。他にも特定の栄養価を高めたコメはあるのだろうか?

「栄養価を高めたものだと、最近では農林水産省所轄の農研機構が作った小粒の黒米『紫こぼし』があります。食物繊維やカルシウム、ビタミンEを多く含みます。また、フィリピンにある国際稲研究所が遺伝子組み換えで開発した『ゴールデンライス』はビタミンAを高めたもの。これはビタミン不足に悩む発展途上国向けに作られたものです」(農研機構作物研究所・根本博さん)

ゴールデンライスは日本では販売されないんでしょうか?

「日本ではコメ以外の食品からビタミンを十分に摂取できますからね。むしろ過剰なくらい。じつは他の栄養素もあえてコメからとる必要はないんですよ。東大の“鉄分3倍米”にしても、鉄不足に悩む途上国向けに開発されたそうですから」(同)

では、国内向けのコメは主にどんな目的で品種改良されているんでしょうか?

「現在は国内の食料自給率を上げるのが最大のテーマ。それとは裏腹に減反政策でご飯用のコメを作る田んぼは減っています。そこで、余った田んぼを生かすべく、パンや麺の材料になる“米粉”に適した品種を開発しています。また、家畜のエサになるコメの開発も活発。味は度外視で、とにかく収量が多い品種です。食料自給率は家畜に食べさせる飼料自給も含みますので、大部分を輸入に頼るエサを国内産のコメで賄えれば自給率が上がります」(同)

自給率問題を抱える現状では、特定の栄養価を高めることを目的とした品種改良は主流になりえない模様。せっかく技術があるのにもったいない気もしますが…。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)


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