身体にまつわる都市伝説

第1回 折れた骨は強くなるってホント?

2010.06.07 MON

身体にまつわる都市伝説


過去に足の骨折を経験済みの筆者。てっきり強度がアップしたものと思って安心していたのに、まさか単なる迷信だったなんて! ま、元通りならいいか… 写真提供/PIXTA

骨は折れても強くならず。原状回復のみ



小学生のころ、道路で遊んでいて思いっきり車にはねられたことがある。幼い筆者は右足を骨折。そのまま救急車で搬送され、3ヵ月ほどの入院生活を送るはめとなった。

退院後のリハビリ期間は、松葉杖で歩くのが怖くてしょうがなかったことを覚えているが、母にはしきりに「骨なんて一度折れたら強くなるもんなんだから、大丈夫よ!」とハッパをかけられていたものである。

だが、ちょっと待った。骨は折れたら前より強くなるというのはよく耳にする話だが、よく考えてみればその科学的根拠は聞いたことがないし、専門家の口から同様の解説をされたこともない。良い機会なので真相を確かめてみよう。医療ジャーナリストにして医学博士の森田豊先生に聞いた。骨は本当に折れたら強くなるんですか!?

「ああ、それは迷信ですね(キッパリ)。骨は一度折れても、折れる前より強くなることはありません。リモデリングといって、元通りの形状と強度に戻るだけです」

…と、意外にあっさり否定されてしまったが、それならなぜそんな風説が広まったのだろう? 「折れた骨が修復していく過程で、一時的に骨折部が元の骨より太くなることがあるんです。これは骨折部をつなぐ新しい骨、仮骨(かこつ)ができるためですが、これをレントゲンで見た時に、あたかも太く強化されたように誤解されたのかもしれませんね」(森田先生)

ただしこの仮骨はまだ不完全な組織であるため、強くはないとか。レントゲン写真で一見治ったように見えたからといって、すぐに激しい運動などを再開するのは禁物だ。

ところで、骨折の誤解は解けたものの、“ねんざは癖になる”という説については…?

「そちらは事実です。ねんざというのは靭帯と靭帯がズレて損傷したり、あるいは靭帯と関節の位置関係がおかしくなったりする現象ですが、一度ズレたものは再びズレやすくなる傾向があります。ですから、運動中の事故はある程度仕方がないにしても、ねんざを経験している人はなるべく柔らかめの靴を使うなど、配慮するべきですね」

うーん、長年の疑問がすっきり解決! しかし結局は、ケガをしないのが一番。皆さんもどうかお気をつけて。 あなたが知っている体や健康にまつわる噂や風説は? 下のボタンから投稿ください。

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