身体にまつわる都市伝説

第23回 バスケやバレーで本当に背は伸びる?

2010.11.08 MON

身体にまつわる都市伝説


バスケやバレーに背を伸ばす要因があるのではなく、単に、もともと背の高い人が集まっているというのが真相のようだ。大人になったらもう背は伸びないというのは夢破れた気分だが、せめて少しでも姿勢を良くするよう気をつけよう… 写真提供/PIXTA

「スポーツで身長が伸びる」は本当か?



冬物ファッションを物色するのが楽しいこの季節。しかし、「この冬はお洒落にキメるぞ!」と張り切ってショップへ出掛けるものの、どうも自分の体型に物足りなさを感じてしまう。もうちょっと足が長ければ。あと数cmだけでも背が高かったら。そんなやり場のない不満を抱えている人、案外少なくないのでは?

そういえば子どものころ、母親から「大きくなりたいなら、バスケットボール部かバレーボール部に入りなさい」などとよく言われた。確かにバスケやバレーには長身の選手が多いが、本当に背を伸ばす効果があるのだろうか? 低身長治療などを専門とする、野瀬クリニックの野瀬 宰(のせ・おさむ)先生に聞いてみた。

「何か特定の競技に打ち込むことで身長が伸びるという、正式な論文は存在していません。もちろん、運動もせずに部屋でゲームばかりやっているよりは身体の発達にプラスでしょうが、競技別の身長の伸び率というのは比較しようがありませんし、単なる迷信でしょうね」

では、なぜバスケやバレーの選手があれほど長身なのかといえば、それは単に「もともと背の高い選手が集まっているだけです」と野瀬先生は笑う。

「適度な運動を行うことで、成長ホルモンが分泌されるのは事実です。ただし、あまりに激しい鍛錬を行うと、成長ホルモンよりも男性ホルモンが大量に分泌され、筋肉が発達します。それが成長期の骨の『骨端線』を早期に閉鎖させ、成長を阻害することがあるんです」 骨端線とは四肢を構成する長い骨の両端、関節を形成する膨らんだ部分から2~3cm手前にある線状の部位のことで、成長期にはこの部分が開いた状態にある。成長期を終えると骨端線は自然に閉じ、それ以降は骨が伸びることはないという。

では、健康診断などのタイミングでまれに、「この年になって身長が伸びた」とはしゃぐ大人を見かけるが、これは一体…?

「基本的には成人になってから身長が伸びることあり得ません。ただし、人の体というのは1日の間に1.5cm前後も伸び縮みしますから、身長を測る時間によって差が生じます。人体は首から骨盤まで27個の椎体骨で構成されており、それぞれの骨の間の軟部組織が重力による圧力で伸びたり縮んだりするため、このような誤差が生じるわけです」

寝ている時はこの軟部組織が伸びた状態にあるが、直立、歩行の体勢では重力によって骨と骨の間が縮まる。人が夜より朝の方がわずかに長身なのは、これが理由なのだ。 あなたが知っている体や健康にまつわる噂や風説は? 下のボタンから投稿ください。

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