身体にまつわる都市伝説

第30回 酸性雨を浴びるとハゲるってホント?

2010.12.27 MON

身体にまつわる都市伝説


酸性雨とはそもそも、化石燃料の燃焼によって発生した硫黄酸化物などが、大気中で水や酸素と反応して生じるといわれている。頭皮への影響を考えるなら、今から環境問題にしっかり向き合うべき!?

強すぎる酸は人体に悪影響を及ぼすが…



突然降りだした雨にも、「この程度なら、傘差さなくてもいいや」と、そのまま小走りに駆け出す。いかにもありそうな日常のひとコマだけど、そういえば昔から、酸性雨の影響が懸念されている。

とりわけ気になるのが、酸性雨を浴び続けると頭皮に異変をきたし、髪の毛が抜けてしまうという恐ろしい噂である。もし事実なら、ただでさえ頭髪の行く末に敏感なR25世代にとって、看過できない問題だ。用賀ヒルサイドクリニックの鈴木稚子先生に聞いてみよう。

「昔、化学の授業で習ったかと思いますが、ペーハー値でいえば中性がph7で、数値が小さくなるほど酸性に近づきます。人の肌はもともと弱酸性のph5.5程度。日本で降る雨はたいていph5.6以上の酸性度で、ほぼ肌と変わらないため、酸性雨といっても影響はほとんどないと考えていいと思います」

これは石鹸でたとえるとわかりやすい。石鹸は本来アルカリ性で、洗顔、洗体後にヒリヒリとした刺激を残すことがある。最近では敏感肌の人のために弱酸性のボディソープが売られているが、これは肌のペーハー値に近づけることで刺激を弱めているのだ。 「海外ではたまに、非常に酸の強い雨が降ったというニュースも流れますが、少なくとも現在の日本においては、肌や髪の毛にまず影響はないでしょう」

肌質にも個人差があるが、それでもペーハー値で見ればph5.5から大きくずれる例は稀だと鈴木先生は語る。

「それに、酸性であることが必ずしも肌に悪いわけではありません。放射線などもそうですが、大量に浴びると健康を阻害するものでも、量を加減することで治療に応用することもできるんです。あえて酸性の刺激を強めに加えることで肌を活性化させる、ピーリングという治療法もあるくらいですから」

もちろん、硫酸のような過剰に強い酸は論外だが、少なくとも自然に降る酸性雨については、あまり恐れる必要はないようだ。とはいえ、風邪をひいては元も子もない。自己管理の一環として、やっぱり折りたたみ傘は携帯しておこう。 あなたが知っている体や健康にまつわる噂や風説は? 下のボタンから投稿ください。

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