暑さ・寒さにカラダは慣れるってホント?

「北国出身=寒さに強い」説を大マジメに検証してみた!

2011.01.20 THU



写真提供/AFLO
寒さが身にしみるこの季節、「北国出身は寒さに強い」というような言葉を耳にすることがあるが、それってホントなのだろうか。個体機能学に詳しい、信州大学の能勢博教授に話を聞いた。

「氷点下の国に住む民族と、熱帯に暮らしてきた民族とでは、体の作りが異なります。わかりやすいのは体格の違いでしょうか。例えばイヌイットなど北方の民族は、手足が短めで皮下脂肪が厚く、体表面積が少ない傾向にあります。これは熱を放散しにくい体格なんです。逆に赤道直下に住む民族は、手足が長く痩せがちで、熱を放散しやすい体格といえます」

しかし日本国内では地域での体格差はあまりない気が…。

「汗で熱を放出する『汗腺』の機能にも地域差があるんです。人体には約300万個の汗腺がありますが、そのうち実際に機能する能動汗腺の数は、3歳までに育った環境で決まります。暑い地域で育てばすべてが能動汗腺になりますが、寒冷地ではその数が半分以下の人もいます。この能動汗腺の数は、訓練をしても変化はしません」

幼少期の環境も大事なんですね。では、大人が寒さに慣れる…ということは起こりえない?

「起こります。人の体は37度程度を平熱とし、発汗や皮膚血管の収縮でその温度を自動調節していますが、一定期間を寒冷地で過ごすと、体温が37度以下になっても、寒さを感じにくくなります。低温下でも皮膚血管が拡張したままだったり、皮下脂肪が厚くなったりと、実際に“寒さに強い体”になるんですよ。冬山に挑む登山家は数週間前から寒冷地で寝泊まりしますが、それは体の変化を待つ期間でもあるんです」

ということは、その気になれば“寒さに強い体”になれると?

「そうですね。暖房に極力頼らず、寒冷地で生活をするだけでも、8週間ほどで体に変化が生まれるはずですよ。運動や乾布摩擦などを行えば順応も早まります」

寒さに強くなるため、真冬でも薄着…という根性論的な方法も、あながち間違いではなかったようだ。
(古澤誠一郎/Office Ti+)


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