身体にまつわる都市伝説

第35回 アロエがヤケドに効くってホント?

2011.02.07 MON

身体にまつわる都市伝説


アロエを治療に役立てようという発想は、自然とのつながりを大切にしてきた昔人の風習が知恵として伝えられたもの。「近年では、西洋医学のみに頼らない代替療法の一環としても注目を集めています」(松永さん)というから、今後のさらなる研究に期待しよう 写真提供/PIXTA

有効成分は認められているものの…



子どものころ、うっかりヤケドをしてしまった時などに、「庭からアロエを取ってらっしゃい」と母親からいわれたことが何度かあった。もいだアロエの葉に含まれるエキスが、こうした傷の治癒に効くという話、誰しも耳にしたことがあるだろう。

たしかに、アロエのジェル状の汁は傷口にひんやりと気持ちよく、なんだか治癒が早まるような気分になったものだが、これって科学的な根拠はあるのだろうか? 栄養学博士の白鳥早奈英先生に聞いてみた。

「アロエの成分に、抗菌作用や消炎作用を持つものが含まれているのは確かです。たとえばアロエシンやアロエチンには抗菌作用が、アロエウルシンには抗潰瘍作用や抗炎症作用があります。塗るだけでなく、アロエが食用としても親しまれているのは、そうした健康食品としての一面があるためです」

ちなみに日本で見られるアロエは主に、キダチアロエとアロエベラの2種類。白鳥先生が挙げた作用に長けているのは、キダチアロエの方だ。アロエに有効成分が含まれているのは事実。しかし、あくまで民間療法に過ぎないため、もし皮膚がただれるような重度のヤケドを負った場合は、迷わず病院へ直行すべきと白鳥先生は釘を刺す。 それでもアロエが長らく注目されてきたのは、家庭に身近な植物を使った自然療法だからだろう。植物と生活の調和を積極的に啓蒙するフラワーデザイナーの松永有加さんは、次のように語る。

「植物の力を治療に生かそうという考え方は、昔の人の経験から生まれた知恵です。ただし植物も薬と同じように、ケガの程度や体質によっては合わないことがありますから、やはり闇雲にアロエに頼るのは良くないでしょうね。また、観賞用に販売されているものは、アロエにかぎらず農薬や殺虫剤が残留している可能性があるため、患部に直接塗る際には食用と同様、慎重に選ぶ必要があります」

薬ではなく植物で治療するなんて、いかにも自然でよさそうだけど、イメージだけで安易に使うと思わぬ危険がともなうことも…。やっぱりヤケドはお医者さんに診てもらうのがよさそうだ。 あなたが知っている体や健康にまつわる噂や風説は? 下のボタンから投稿ください。

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